フォルテピアノ奏者 川口成彦 特別インタビュー③

投稿日:
アンサンブルホールムラタ

10月5日開催『3つの時代を巡る楽器物語』第1章「ショパンとプレイエル」(京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ)にご出演される、フォルテピアノ奏者の川口成彦さん。

前々回のインタビュー記事「フォルテピアノ奏者川口成彦特別インタビュー①」では川口さんとクラシック音楽との出会いやオランダでの留学生活について、そして前回の「フォルテピアノ奏者川口成彦特別インタビュー②」ではショパン国際ピリオド楽器コンクールに関するお話をお伺いしました。

インタビューの最終回では、今年の10月5日(土)に京都コンサートホールアンサンブルホールムラタで開催される『3つの時代を巡る楽器物語』第1章「ショパンとプレイエル」について語っていただきました。

©TairaTairadate

――『3つの時代を巡る楽器物語』第1章「ショパンとプレイエル」のプログラムを考える際、「オール・ショパンで」とオーダーをしました。
まずは、演奏なさる作品を教えていただけますか。

川口成彦さん(以下、敬称略):ショパンは男装の女流作家ジョルジュ・サンド (1804-76)(※フランス出身の作家であり、当時の様々な知識階級の男性たちと関係をもった女性として知られる)と恋愛関係にありましたが、今回のプログラムはそんな2人が共に過ごしたフランスのノアン、そしてスペインのマヨルカ島で書かれた作品をピックアップしています。
《夜想曲第15番 ヘ短調》や《舟歌 嬰ヘ長調》、《バラード第3番 変イ長調》、それに《24の前奏曲》などといったものです。

――使用されるフォルテピアノは、ショパンがまだ生きていた時代に使われていた1843年製のプレイエル(タカギクラヴィア所有)ですね。

川口:そうです。プレイエルのピアノの特徴は何といってもその音色です。
とても素晴らしい音色がするんです。なんと表現したら良いんだろう…。
たとえば、楽器から薫りがする、と言ったような感じかな。
かつて、ショパンはプレイエルについて、このように言ったそうです。
「私は体調が良い時はプレイエルを弾き、悪い時はエラールを弾く」。
つまりプレイエルはコンディションの良い時でないと弾きこなせない楽器だと言うことです。プレイエルのピアノって、タッチによって実に多様な音色が出せるので、音の表情にこだわると非常に神経を使いたくなる楽器です。
指先のデリケートなコントロールが難しいとも言えますが、うまく扱えたなら大変美しい音楽を紡ぐことが出来ます。
きっと、ショパンもプレイエルのそういうところが好きだったのかも。皆さんには、ぜひ生でその特別な音色を聴いていただきたいと思います。

――ところで、演奏会のテーマの一つである「ジョルジュ・サンド」に関するエピソードがあるとか?

川口:そうなんですよ。実は、ショパンとサンドが共に夏を過ごしたフランスのノアンに行ったことがあります。そこにはサンドの家がまだ残っているのですが、一緒に暮らしていたはずのショパンに関する品がほとんど現存しないのです。ショパンとサンドはあんなに愛し合ったはずなのに、別れた後、サンドはショパンの私物をわーっと全て捨ててしまったんですよ。

――まぁ、女性ってそんな生き物ですよね。

(一同笑い)

川口:サンドは実に恋多き女性でしたので、すっかり片付いたショパンの部屋を想像すると、ショパンはたくさん付き合った男のひとりに過ぎなかったのか…とも思いました。

――女性の立場から考えると、サンドはショパンと別れたことがショックで、そういうことをしたのではないでしょうか。女性は過去を引きずりたくないから、その男性を思い出させるような物は全部さっさと捨てちゃって、忘れようと努力するんです。悲しいからそうするんですけどね。

川口:そうかもしれない。
だけど、僕がノアンにあるサンドの家へ行った時に一番衝撃的だったことは、ショパンの物は何も残されていなかったのですが、ショパンがピアノを弾いていた防音室の扉だけは残されていたことです。

――まぁ…。

川口:それを目の当たりにした時、鳥肌が経ちました。防音扉だけがずっと200年前から残っているんです。
ショパンの家具とか楽器が残っているよりも、ボールペンとかノートよりも生々しいと思いませんか。

ショパンの現存する作品の中で「傑作」と呼ばれるものは、ほぼノアンで書かれているのです。
ショパンにとって、ノアンはとても神聖な場所であり、本当に特別な場所だったんだなって、その地に立ってみて心底思いましたし、霊的なものすら感じました。
サンドもそんなショパンの側にいたわけで、ひょっとしたら、数々の傑作が生まれた防音室の扉だけは処分出来なかったんじゃないかな、と思いました。

――そうかもしれないですね。

川口:ノアンでこのような経験をしたということは、その時代に書かれた作品を演奏する上で非常に大きな財産になりました。
この経験以来、ショパンにとって、音楽とは人生の一部だったんだなって強く思います。音楽自体がショパンの人生の一部で、作品の中には彼の人生が詰まっている……そんなことを感じたノアン滞在でした。

――そうですね。それに、結局別れてはしまいましたが、サンドという特別な女性がいたからこそ、ショパンは傑作の数々を書けたのかもしれませんね。

川口:そう思います。もし彼がサンドと出会っていなかったら、もしノアンやマヨルカ島を訪れることがなかったら……ショパンの作品は違うものになっていたかもしれません。
ショパンの人生があったからこそ、あの作品たちが生まれたんだと思います。

――ますます10月5日の演奏会が楽しみになってきました。

川口:今回は、ジョルジュ・サンドとショパンをテーマにしたコンサートなので、素敵な楽器と共に、皆様と2人の足跡を辿ってみたいと思っています。特別な演奏会にしたいです。今からわくわくしています!

――秋の京都に鳴り響く古楽器でのショパン、わたしたちも心から楽しみにしています。貴重なお話をたくさんお聞かせいただきまして、ありがとうございました!

(2018年11月20日京都コンサートホール事業企画課インタビュー@京都コンサートホール 大ホールホワイエ)
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フォルテピアノ奏者 川口成彦 特別インタビュー②

投稿日:
アンサンブルホールムラタ

10月5日開催『3つの時代を巡る楽器物語』第1章「ショパンとプレイエル」(京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ)にご出演される、フォルテピアノ奏者の川口成彦さん。
今回の京都公演は、川口さんにとって関西初となるフォルテピアノ・リサイタルとなります。プログラムはもちろんオール・ショパンで、使用楽器は1843年製のプレイエルです。
前回のインタビュー記事「フォルテピアノ奏者 川口成彦 特別インタビュー①」では、クラシック音楽との出会いやオランダでの生活についてお話いただきました。
今回は、いよいよ川口さんが第2位を受賞された「ショパン国際ピリオド楽器コンクール」のお話を伺いたいと思います。

©TairaTairadate

――それでは、川口さんが第2位を受賞なさった「ショパン国際ピリオド楽器コンクール」(2018年)について、お話をお聞かせくださいますか。

川口成彦さん(以降、敬称略):主催者は、あの有名な「ショパン国際ピアノコンクール」と同じ、ワルシャワのポーランド国立ショパン研究所です。
2018年はポーランド独立100周年という記念の年だったのですが、2010年のショパン生誕200年の頃から「ショパンが当時使っていた楽器を使ってコンクールをしよう」と計画されていたようです。
主催者としては、これまでの「ショパン国際ピアノコンクール」とは別に、もっとオーセンティックなものを追求していくために「古楽器を使用する」というアイディアを持っていたと思うんです。
国立ショパン研究所は「NIFC(Narodwy Instytut Fryderyka Chopina)」という自主レーベルを持っていて、このレーベルでは当時の楽器でショパンを録音するというプロジェクトを以前からやっていました。
なので、この自主レーベルで繰り広げられていたことが、コンクールとして実現した…と言っても良いと思います。

――コンクールではどのような楽器が使用されたのですか?

川口:コンクールでは、ショパンが生きていた時代の楽器が5台用意されました。プレイエル (1842)、エラール (1837)、ブロードウツド (1843)、ブッフホルツ (ca. 1825, 2017年修復)、グラーフ (ca. 1819, 2007年修復)です。
そのうち1~2次予選では、5台のフォルテピアノの中から1ステージにつき3台まで使用して良いという決まりでした。奏者が自由に決めて良かったのです。
僕は曲によって音色を変えたかったので、3台を弾き分けました。
2次予選でも3台使いました。本選では、5台のピアノに加えて、もう1台エラールが追加されました。

予選ピアノ選定(写真提供:川口成彦氏)

――1次予選と2次予選で演奏した曲を教えてください。

川口:1次はカロル・クルピンスキ(1785-1857) という、シューベルト (1797-1828) と同世代に活躍したポーランドの作曲家がいるのですが、彼のポロネーズを1曲弾きました。
そのあと、ショパンが若かりし頃に書いた《ポロネーズ》作品71-2を演奏し、バッハの《平均律クラヴィーア曲集》から第2巻の第24番、そしてショパンの《12のエチュード》から作品25-10を演奏しました。これはオクターブのエチュードです。
あとは、ショパンの《バラード第2番》も演奏しました。

2次予選のプログラムはオール・ショパンでした。《2つのポロネーズ》作品26、《4つのマズルカ》作品24、そして《ソナタ第2番》作品35を演奏しました。

本選では、ショパンの《ピアノ協奏曲第2番》を選びました。

――あれ?ノクターンがありませんね?

川口:そう、課題になかったんです!それが意外でしたね。
ショパンを課題にするのであれば、ノクターンは入れるべきだと思います。
国立ショパン研究所は、もうすでに第2回の開催にむけて動き出しているそうで、5年後の開催(2023年)になります。
おそらく、第2回の課題には、第1回のコンクール課題にはなかったノクターンやスケルツォが入ってくるでしょう。

――何でもそうですが、初回は「試行錯誤」の部分が大きいですよね。
ところで、たくさんの課題曲をこなされたわけですけど、いつ頃から準備なさっていたのですか?

川口:コンクールの要項が発表されたのが2017年でした。それを見て、すぐに受けようと決心しました。
それからは、予備予選であるDVD審査のためにかなり頑張りました。

――川口さんは、古楽界では最高峰とも言われる「ブルージュ国際古楽コンクール」(2016年)のフォルテピアノ部門で最高位を受賞されていますよね。
個人的には、ブルージュで受賞なさったのだからもう十分じゃないかと思ってしまうのですが、なぜ再度コンクールにチャレンジしようと思われたのですか?

川口:いや、僕自身もブルージュで受賞した時に「コンクールはもう終わりにしよう」と思っていたのです。
僕にとって「コンクール」とは、教育システムの一環でしかないと思っています。若者がコンクールを通して学んだものを、次にどう活かせるか…といったことが「コンクール」だと思っているので。
ブルージュで受賞した後「今後どうしようか」と色々考えていたのですが、そういった時に「ショパン国際ピリオド楽器コンクール」の存在を知り、「ロマン派時代の新たな作品を学ぶことが出来る大きなチャンスだ」と思って、コンクールに挑戦することを決めました。
もう一つ、大きな決め手だったのが、本選で憧れの18世紀オーケストラと共演出来る、といった点でした。それは僕にとって大きな夢の一つだったので、もしファイナルにいけたら「夢が1つ叶うな」と思いました。
その可能性が少しでもあるのなら、チャレンジしなければ勿体ないですから。

本選演奏後、使用したプレイエルを修復したエドウィン・ベウンク氏と18世紀オーケストラのティンパニ奏者マールテン・ファン・デア・ファルク氏と(写真提供:川口成彦氏)

――その夢が本当に叶ったわけですが、本選では《ピアノ協奏曲第2番》を選曲されましたね。過去の(ショパン国際ピアノコンクール)ファイナルを見ていると、圧倒的に第1番を選ぶ奏者が多いと思うのですが、なぜ第2番を選択されたのですか。

川口:2番の方が好きなんですよ。1番もとても美しい作品だと思いますが、2番の第2楽章の美しさにはかなわないです…。ただ、将来的に1番も演奏してみたいです!

――そういえば、NHKのBS1スペシャル「ショパン・時の旅人たち 第一回国際ピリオド楽器コンクール」では、この本選の模様も取り上げられていましたけど、楽器選びで苦労されていましたね。

川口:そうなんです。僕、あの時はとにかく緊張していました。
本当は本選で「ブッフフォルツ」(※ポーランドの楽器製作者フレデリク・ブッフホルツ (1792-1837) によるフォルテピアノのレプリカ。ブッフホルツは、ワルシャワ時代のショパンが愛した楽器といわれている)という楽器を使いたかったんです。なぜかというと、ショパンの《ピアノ協奏曲第2番》の初演が行われたもブッフホルツで、その初演をワルシャワで“再現”したかった…。
それだけで夢のような話だと思って、《ピアノ協奏曲第2番》とブッフホルツという組み合わせを選んだのです。

本選まで進めると分かった時、ブッフホルツを使うと最後まで思っていました。
だけど、結論から言うとブッフホルツで弾くという選択は最後の最後で捨てました。僕は、ブッフホルツが持つ、19世紀前半までにみられたウィーン式特有のデリケー トなタッチというものには慣れているつもりでした。
でも「慣れている」という自信をなくしてしまうくらいの緊張感が、あの時にはあったんです。
僕は結局、最後にプレイエル(※フランスのピアノ・メーカー。創業者はイグナーツ・プレイエルとカミーユ・プレイエルで、1807年に設立。ショパンが愛した楽器メーカーとして知られている)を選んだのですが、ブッフホルツとプレイエルの決定的な違いは「鍵盤の浅さ」です。
プレイエルの方が鍵盤が深くて、ブッフホルツの方が浅いのです。つまり、ブッフホルツの方が、浅い鍵盤の深さの中で様々なコントロールをしなくてはいけない。
極限状態の緊張感を抱いている時、ブッフホルツに対してちゃんとタッチのコントロールが出来るかどうか、とても不安になりました。

――本番というのは、本当に何が起こるか分からないですからね。

川口:東京での学生生活を終えて間もない頃、生まれて初めてオール・モーツァルト・プログラムでリサイタルをやったことがありました。その時、緊張しすぎてしまったの か、変奏曲を演奏した時に指先のコントロールが効かなくなったのです。
その時はアントン・ワルター (1752-1826) によるフォルテピアノの復元楽器を使いましたが、過去に経験がない ほどに緊張してしまい、デリケートな鍵盤に弾き飛ばされるような感覚を覚え、難しいパッセージで指が暴れ出したことがありました。

――ああ…。それはトラウマになってしまいますね。

川口:ええ、そのときの失敗が忘れられなくて。だからショパン国際ピリオド楽器コンクールのファイナル前日に『もしかすると明日のファイナルで、お客様がたくさん聞いてくださっている中で、そして予選で落ちてしまったコンテスタントもいる中で、僕はちゃんと演奏しないといけないという責任がある。こんな重要な舞台で、自分は本当に明日、ブッフホルツを演奏出来るのだろうか?』と何度も自問自答しました。
そして結局、前日になってプレイエルに替えたのです。

リハーサルは2回あるのですが、最初のリハーサルではブッフホルツを弾きました。その時の演奏を聴いて、18世紀オーケストラの団員さんたちも「明日楽しみだね」って声をかけてくれていたんですけど、その後にどんどん恐怖心が増していきました。
そして、国立ショパン研究所に電話をして正直に「僕、ブッフホルツを演奏するという自信がなくなってしまいました。今の僕には、ブッフホルツで華麗にコンチェルトを演奏する力があるとは思えないので、プレイエルで自由に演奏させてください」と打ち明けました。

本選の舞台(写真提供:川口成彦氏)

――賢明な選択だったと思いますよ。

川口:僕は心残りはないです。自分の人生にとって、重要な舞台だったから。
翌日、18世紀オーケストラの団員さんからも「君は賢かった」と言ってもらえました。
もちろん、ブッフホルツでも良かったのかもしれません。でも「今やることではないな」と思いました。
あと、本番の舞台となったホール(国立フィルハーモニーホール)って大きいんですよ。だから、オーケストラの団員さんたちは「ピアノよりも大きい音量にならないように」と非常に神経を使って演奏していました。
ブッフホルツって、ピアノの音量が非常に小さいのです。でも、演奏するときって「楽器のコントロール」に気を使いすぎると音楽でなくなると思うんです。
頭の中が「楽器をいかにコントロールするか」っていうことでいっぱいいっぱいになったら、音楽を殺しちゃう。

――ギリギリのところで判断されたんですね。

川口:そうです。本当に、本選の前日まで『ここまでせっかくたどり着いたのだから、初演を再現したい』って思っていたのですが、もし僕があの時ブッフホルツでファイナルに挑んでいたら入賞出来なかったと思いますね。

本選出場が決まった際、国立ショパン研究所が撮影した川口さんのポートレート(写真提供:川口成彦氏)

――コンクールならではの、緊張感溢れるエピソードですね。

川口:あの前日の恐怖心と言ったら…表現出来ないくらいです。僕、前日の夜までブッフホルツを想定して、ウィーン式アクションでコンチェルトを練習していたんですから。それで『明日はこれで演奏するんだ!』『よし!弾ける!!』と気持ちを強く持つようにしていましたけど、夜になってベッドに入った時『あぁ、明日か…』と思い出したら眠れなくなって。
『これは多分…ブッフホルツを弾いちゃいけないんだな…』と思って、急いでプレイエルに替えました。

――当日のリハーサルだけプレイエルを触って、ファイナルに挑まれたということですよね。

川口:はい、そうです。

――いやぁすごいなぁ…。わたしだったら怖くて怖気づいてしまうと思います。色々な困難の中、第2位ご受賞本当におめでとうございます。

それではいよいよ、川口さんが今秋ご出演くださる、京都コンサートホール主催のコンサート『3つの時代を巡る楽器物語』第1章「ショパンとプレイエル」(10/5) のお話に移りたいと思います。

▶フォルテピアノ奏者 川口成彦 特別インタビュー③へ続く…

(2018年11月20日京都コンサートホール事業企画課インタビュー@京都コンサートホール 大ホールホワイエ)

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フォルテピアノ奏者 川口成彦 特別インタビュー①

投稿日:
アンサンブルホールムラタ

10月5日開催『3つの時代を巡る楽器物語』第1章「ショパンとプレイエル」(京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ)にご出演される、フォルテピアノ奏者の川口成彦さん。
川口さんといえば、昨年末にNHKで「第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール」の模様が放映され、大きな話題となりました。

今回の京都公演は、川口さんにとって関西初となるフォルテピアノ・リサイタルとなります!プログラムはもちろんオール・ショパンです。
メイン曲として、後世の作曲家たちに多大な影響を与えた《24の前奏曲》作品28を据えたほか、男装の女流作家ジョルジュ・サンドと過ごしたマヨルカ島及びノアンでショパンが作曲した傑作の数々をプログラミングしています。
使用楽器は1843年製のプレイエルです。

この記念すべき京都公演に向けて、川口成彦さんに特別インタビューを敢行しました。第2位を受賞された「第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール」のお話はもちろん、オランダでの生活やフォルテピアノなどに関する興味深い話をたくさん聞かせてくださいました。全3回にわたってお送りします!

 


――川口さんこんにちは。今日はお忙しい中、ありがとうございます。
川口さんには色々なことをお尋ねしてみたいのですが、まずは音楽を始められたきっかけについて教えてくださますか。

川口成彦さん(以下敬称略):もともとピアノは大好きで、小さい頃から弾いていたんです。でも、古楽器(フォルテピアノ)に触れたのは、東京芸術大学の楽理科に在学していた時です。
その時に、フォルテピアノ、つまり昔のピアノがあって学べるというのを知って、古楽器を始めることになりました。

なぜ、こんなにのめり込んだのかというと、それまでは「ハイドン」とか「モーツァルト」が書いた音楽に対して、距離を感じていたんです。
嫌いではないけど、好きではなかった、という感じかな。学部生だった頃は、ラフマニノフやスクリャービンとか、そういった作曲家が好きでたくさん弾いてたんですけど、モーツァルトやハイドンはどういうわけか、しっくりこなかったのです。

ところが、フォルテピアノで初めてハイドンのソナタを弾いたとき、目から鱗でした。今まで自分がハイドンの作品に対して疑問に感じていたことが、フォルテピアノという楽器を通してみると解決したのです。
その時に「あ、古典時代の作品を好きになるチャンスだ!」と思ったのがきっかけで、それからはフォルテピアノにどんどんのめりこんでいきました。

同じ大学の古楽科修士課程に進学したあとは、アムステルダム音楽院修士課程で2年間フォルテピアノを学んで、2017年に修了しました。
フォルテピアノを学び始めたきっかけは古典派の音楽でしたけど、そのあとシューベルトに広がっていき、今ではショパンとか、ブラームス、シューマンもフォルテピアノで演奏しています。
20世紀のドビュッシーなども、当時の楽器で演奏するようになりました。
いまは自分の興味ややりたいことが膨らんでいる時期だなと感じます。

――なるほど。当時の楽器に触れると、作曲家が本当に言いたかったことにまで触れられる…という感じでしょうか。
ところで、学部生の頃の専攻は「楽理科」だと仰っていましたね。何か音楽で追求したいことがあって、楽理科を選択されたのでしょうか?

川口:明確な研究テーマがあって楽理科に進学したかったわけではなく、僕はやっぱり演奏がしたかったんだなぁと思います。
ただ、僕の通っていた中学・高校は進学校で、たくさん勉強をしなければいけなかったので、ピアノを練習する時間がなかなか取れなかったんです。
でもどうしてもピアノを弾きたくて「どうしよう」と迷っていたときに、音楽を学問として深める「楽理科」という存在を知りました。
調べてみると、楽理科の卒業生には小林道夫先生(※チェンバロ、ピアノ、室内楽、指揮など活動が多方面にわたる第一人者)や武久源造先生(※鍵盤楽器奏者。特にバロック時代を得意とする)、それにジャズ・ピアニストになられた方もいらっしゃいました。
そういった大先輩の存在が、楽理科への進学を勇気付けてくれました。楽理科に入ってもピアノができる――だから、研究のためというよりも、ピアノ演奏を深めるために東京藝術大学の楽理科に進学したと言えますね。

――「演奏すること」と「研究すること」って通じていますよね。特に、古楽器奏者は半分研究者のようなところがあると思います。

川口:そうですね。やはり古楽器で演奏する理由のひとつに、「オーセンティックなものを追求する」ということがあると思います。
「当時、どう演奏されていたのか」ということを追求するうえで、アカデミックなものが必要になってくるんですよね。
だから、研究者になりたいというよりも、演奏を追求しているうちに、自然と研究している、というのが正直なところかもしれません。
とは言っても、こういった考えは古楽器奏者だけではなく、モダンの楽器を演奏する方々も持っていると思います。

――ちょっと話を戻しましょう。川口さんは東京藝大の修士課程を修められたあと、オランダに渡られていますね。なぜオランダを選ばれたのですか?

川口:それは、オランダと古楽の結びつきが深かったからです。
例えば、古楽オーケストラとして歴史を誇る18世紀オーケストラ(※オランダ出身のリコーダー奏者フランス・ブリュッヘンが創立。世界中から一流の古楽奏者が集まり、主に17~18世紀のレパートリーを得意とする)があったり、著名な鍵盤楽器奏者だったグスタフ・レオンハルト (1928-2012) もオランダ出身でした。また、チェロ奏者のアンナー・ビルスマさん(※オランダのチェロ奏者。バロック・チェロの名手として知られている)もオランダに住んでいらっしゃいます。
このような、古楽の歴史溢れる国だったので、最初からオランダで古楽を学ぶということはなんとなく希望として持っていたんです。

でも、だからといって「よし、留学しよう!」とすぐには思えなかった。
なぜなら、日本で師事した小倉貴久子先生(※日本を代表するフォルテピアノ奏者。1995年ブルージュ国際古楽コンクール フォルテピアノ部門の覇者)との関係がとても素晴らしいものだったからです。たぶん、小倉先生に師事しなければ、ここまで古楽にのめりこまなかったかもしれない。
だからこそ留学するなら、それ以上のものを――という想いがあったのです。

2015年にオランダで開催されたサマーセミナーに参加した時、当時アムステルダム音楽院の教授をされていたリチャード・エガー先生(※イギリス出身の鍵盤楽器奏者・指揮者。グスタフ・レオンハルトの弟子)に師事する機会を得たのですが、彼のレッスンはとても楽しいものでした。
何が楽しかったかというと、フォルテピアノのテクニックというよりも、彼自身が指揮者なので音楽を広く捉えることが出来た点でした。
自分が日本で学んだことをベースに、もっともっと自分が広く開けていけるようなイメージを持てたんです。

そう決めてオランダにやってきたのですが、実際、オランダで得ることが出来たものはたくさんあります。
まず第一に、一流の奏者に囲まれて、素晴らしい演奏家が身近にいてくれたこと。
彼らと一緒に演奏し、そこから学ぶことは多々ありました。レッスンでは得られない、貴重な体験です。
それから、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の団員さんとたくさん知り合えたことは自分にとって最も大きな出来事でした。

そのきっかけを作ってくれたのがロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団でティンパニを担当している日本人奏者でした。彼はアムステルダム出会った、大切な親友です。

そして彼とは絶対に一生忘れない思い出が出来ました。それはバルトークの《2台のピアノと打楽器のためのソナタ》を一緒に録音してLPを製作したことです。
まだ彼が学生だった頃に「バルトークの《2台のピアノと打楽器のためのソナタ》いつかやろうよ!」って冗談で言ってたんですけど、なんと本当にやることになったんです。
しかも話も夢も膨らんで「録音しよう!」、「CDではなくてLP作っちゃおう!」と大きく展開していきました。そんな中、彼がコンセルトヘボウの首席ティンパニの席を射止めてしまうという素晴らしい出来事もありました。

――えっ?すごいですね。バルトーク!

川口:そうなんです。最初は冗談だったんですけど、どんどん真剣になっていって。
でも結果的に、この経験が僕の音楽人生を大きく変えることになりました。

――なぜ?

川口:僕、それまでいわゆる「古楽」のアカデミックな部分にこだわりすぎていたんですよね。「音楽」をやりたい中、「古楽」というものに出会ってから学んだことばかりに気を取られていました。
何でもそうかもしれませんが、専門的になりすぎると頭の思考が柔軟でなくなり、重要なことを見落としやすくなります。 でもそういった狭い視野が、モダン楽器で活躍されている方やモダンオーケストラの団員との出会いに恵まれ、どんどん広くなっていったのです。
そし て、違う目線から自分の音楽を再び捉えることになりました。それが、自分にとって本当に大きな出来事だったのです。

結局、1年かけてバルトークの《2台のピアノと打楽器のためのソナタ》を演奏したのですが、この作品に挑戦するためにこれまでの人生で一番労力を使いました。
この作品ではフォルテピアノではなくモダンピアノを演奏しているのですが、逆にこの作品を演奏したおかげで、古楽器奏者として足りないものが全部浮き彫りになりました。
アンサンブル能力も欠けていましたし、自分のリズム感覚も浮き彫りになっていきました。

――バルトークだから、余計にはっきりと見えたのでしょうね。

川口:そうなんです。あの作品は、当時の僕にとって非常に大切なものが凝縮されていました。

――実現してよかったですね。

川口:そう、僕はオランダでの人との出会いに恵まれたのです。
アムステルダムに飛び込んでいった先にいた人々は、非常に意識の高い人々でした。自分が到底追いつけない次元の人たちです。そういった人たちを見て、自分もそうなりたい…、そう思って必死で頑張ったのが良かったと思います。

――演奏家としての幅も広がったし、一人の人間としての視野も広がったっていうことですね。
このように、視野がどんどん広がっていった矢先に受けられたのが「第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール」でしたね。このコンクールでは第2位を受賞されて、日本のみならず世界中で話題となりました。
それでは次に、このコンクールのお話を伺ってみたいと思います。

▶フォルテピアノ奏者 川口成彦 特別インタビュー②へ続く…

(2018年11月20日京都コンサートホール事業企画課インタビュー@京都コンサートホール 大ホールホワイエ)

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【フィラデルフィア管弦楽団 特別連載①】受け継がれる伝統とフィラデルフィア・サウンド

投稿日:
京都コンサートホール

アメリカの“ビッグ5”の一つである名門「フィラデルフィア管弦楽団」が、本年(2019年)11月に14年ぶりの京都公演を行います。

記念すべき公演をより楽しんでいただき、そして世界的アーティストたちの魅力を知っていただくため、本ブログで特別連載を行います。

1回目は、フィラデルフィア管弦楽団の中で脈々と受け継がれる“フィラデルフィア・サウンド”の魅力に迫ります。

* * *

シカゴ響、ニューヨーク・フィル、ボストン響とクリーヴランド管とともに、アメリカの「ビッグ5」と称される名門オーケストラ「フィラデルフィア管弦楽団」(以下「フィラデルフィア管」)。ストコフスキーやオーマンディなどの巨匠たちによって磨かれた美しく輝かしい音は「フィラデルフィア・サウンド」と称賛され、世界中で長く愛されています。そしてそのサウンドは、各時代の団員たちにより次世代へと伝えられ、今も健在です。

(C)Jessica Griffin

そんな伝統を大切にするオーケストラが、2012年秋からの第8代音楽監督として、30代半ばの若手指揮者ヤニック・ネゼ=セガンを指名したことは衝撃的なニュースとなりました。地元や伝統を大切にする彼の人気は絶大で、既に2026年8月までの契約延長が決まっています。ネゼ=セガンの「フィラデルフィア・サウンド」との出会いは、幼い頃に聞いたオーマンディとフィラデルフィア管の録音(チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」)で、音楽家を志すきっかけの一つになったと言います。かつてネゼ=セガンは、フィラデルフィア管について次のように語っています。

「華麗なるフィラデルフィア・サウンド」は、ご存知の通りフィラデルフィア管が誇るかけがえのない遺産であり、他のオーケストラには決して真似することのできない輝かしい個性です。

初めてフィラデルフィア管を振った時には、「サウンドに強烈な個性をもちながらも、レパートリーに応じてその個性を変化させることのできる、万能で柔軟なオーケストラ。この楽団と組んだらきっとどんな冒険もできるだろう!」と思い興奮しました。

フィラデルフィア・サウンドを通して、尊敬するストコフスキーやオーマンディ、ムーティ、サヴァリッシュ、エッシェンバッハ、デュトワらが育んだ楽団の伝統を、常に肌で感じることができます。「華麗なるフィラデルフィア・サウンド」に触れることそれ自体が、私のモチベーションとインスピレーションを日々高め、豊かにしてくれています。

(2014年来日公演プログラム・インタビューより)

ヤニック・ネゼ=セガン(C)Chris Lee

一時期アメリカの首都だったこともあるフィラデルフィア。その美しい街並みから「アメリカの京都」とも称されています。そんな古都の文化的シンボルといえるフィラデルフィア管が、ネゼ=セガンに率いられ、2019年11月に14年ぶりの京都公演を行います。世界を魅了し続ける「フィラデルフィア・サウンド」をぜひお聴きください。

* * *

当連載では、様々な視点から、フィラデルフィア管弦楽団の来日公演の魅力に迫ってまいります。どうぞ今後もお楽しみに!

チケットは、5月12日(日)から会員先行発売、5月19日(日)から一般発売いたします。公演情報はこちら

「北山クラシック倶楽部2019」後半セット券のご案内

投稿日:
アンサンブルホールムラタ

ワールド・ワイドに活躍するアーティストたちの演奏を510席の室内楽専用ホール アンサンブルホールムラタで聴く「北山クラシック倶楽部」。2019年秋から2020年1月までの4公演のラインナップをご紹介します!

今回は、いま話題の弦楽四重奏団や世界最高峰の奏者たちが勢ぞろい。演奏者の胸の高まりまで共有できる「アンサンブルホールムラタ」で本物の感動を体験ください。


ウィーンとベルリンの首席奏者が集う、世界最高峰の木管五重奏
アンサンブル・ウィーン=ベルリン

アンサンブル・ウィーン=ベルリン(c)青柳聡

ウィーンとベルリンのトップオーケストラの首席奏者ばかりで結成され、メンバーも現役奏者たちに一新された、“新生”アンサンブル・ウィーン=ベルリン。世界最高峰の木管五重奏です。各々のテクニック、表現力の高さはもちろんのこと、信頼する仲間たちだからこその息の合ったアンサンブルは必聴もの。こだわりのプログラミングも注目です。人気と実力を兼ね備えた、華やかでクールな5人にご期待ください!

[日時]2019年10月2日(水)19:00開演

[メンバー]
カール=ハインツ・シュッツ(フルート:ウィーン・フィル首席)
ジョナサン・ケリー(オーボエ:ベルリン・フィル首席)
アンドレアス・オッテンザマー(クラリネット:ベルリン・フィル首席)
リヒャルト・ガラー(ファゴット:ウィーン響首席)
シュテファン・ドール(ホルン:ベルリン・フィル首席)

[プログラム]
モーツァルト:歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」より
イベール:3つの小品
クルークハルト:木管五重奏曲 op.79
ほか

[一回券]
全席指定 一般 6,000円/学生3,000円/*会員 5,500円
会員先行発売:5月25日(土)/一般発売:6月1日(土)

[主催]ヒラサ・オフィス


暗譜&立奏の新しいスタイルの気鋭の弦楽四重奏団、待望の初来日!
ヴィジョン弦楽四重奏団

ヴィジョン弦楽四重奏団

2016年ジュネーヴ国際音楽コンクール第1位、瞬く間に世界の舞台に躍り出た気鋭の弦楽四重奏団。2012 年に結成し、ベルリンに拠点を置いています。レパートリーは、クラシックの王道的な弦楽四重奏曲に加えて、ジャズ、ロック、ポップスに至るまで、自分たちのオリジナル楽曲や異なるジャンルの楽曲をアレンジしたものも含め、多岐にわたっています。演奏曲目を全て暗譜、立奏するという独特の演奏スタイルは、音楽とのより強い一体感を感じさせ、鮮烈な印象を与えるとして賞賛を集めています。

[日時]2019年10月24日(木)19:00開演

[メンバー]
ヤーコブ・エンケ、ダニエル・シュトル(ヴァイオリン)
ザンデル・シュトゥアート(ヴィオラ)
レオナルド・ディッセルホルスト(チェロ)

[プログラム]
シューベルト:弦楽四重奏曲第14番 ニ短調 D810「死と乙女」
ジャズ&ロック&ポップス(当日発表)

[一回券]
全席指定 一般 3,000円/U25 1,500円/*会員 2,700円
会員先行発売:6月9日(日)/一般発売:6月18日(火)

[主催]テレビマンユニオン


20世紀最高のコントラバス奏者、いま再びの来日公演!
Thanks Mr. Contrabass! ゲイリー・カー コントラバス・リサイタル

ゲイリー・カー

20世紀最高のコントラバス奏者、ゲイリー・カー。御年78歳のアニバーサリー・日本ツアーが開催されます。2001年の電撃的な引退宣言から18年。大好きな日本の皆さまの前で再度演奏したい、との強い意向を受け今回のツアーが実現しました。コントラバスを独奏楽器として超絶技巧を披露するだけではなく、音楽を楽しみ、聴衆を楽しませる、という理念のもとに幅広いコンサート活動を行ってきた「ミスター・コントラバス」の、最高にスウィートで情感あふれるコントラバス・サウンドをお楽しみください!ピアノは長年の名パートナー、ハーモン・ルイスです。

[日時]2019年11月15日(金)19:00開演

[ピアノ]ハーモン・ルイス

[プログラム]
サン=サーンス:白鳥
メンデルスゾーン:無言歌 ニ長調 op.109
パガニーニ:ロッシーニの歌劇「エジプトのモーゼ」の主題による幻想曲 ほか

[一回券]
全席指定 一般 5,000円/*会員 4,500円
会員先行発売:7月21日(日)/一般発売:7月28日(日)

[主催]日本コロムビア株式会社


ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 第一コンサートマスター
フォルクハルト・シュトイデ ヴァイオリン・リサイタル2020

フォルクハルト・シュトイデ

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 第一コンサートマスターとして、また、ソリストとしてもその特筆すべき技量と音楽性で世界の人々を魅了し続けているフォルクハルト・シュトイデ。ウィーンで育まれたピアニスト 三輪 郁とのコラボレーションはすでに20年以上に及び、その緻密で深みのある演奏で多くの聴衆を魅了し続けています。京都コンサートホールへの登場は満員御礼となった2016年6月の「オール・ベートーヴェン・プログラム」以来。待望のリサイタルです。

[日時]2020年1月14日(火)19:00開演

[ピアノ]三輪郁

[プログラム]
曲目未定

[一回券]
全席指定 一般 4,000円/*会員 3,800円
会員先行発売:9月7日(土)/一般発売:9月12日(木)

[主催]コジマ・コンサートマネジメント


★★ お得な4公演セット券 ★★

☆セット券料金
全席指定(共通シート) 15,000円 <限定100セット>

☆販売期間
*会員先行:4月13日(土)~4月19日(金)
一般:4月20日(土)~5月12日(日)

*会員:京都コンサートホール・ロームシアター京都Club(会費1,000円)と京響友の会の会員が対象。

※出演者、曲目、曲順など内容が変更になる場合がございます。予めご了承ください。

★オンラインチケット購入はこちら
※ログインしていただいた後、公演一覧の上部の『年席予約』をクリックしてお進みください。

 

2019年度オーケストラ・セット券詳細決定!

投稿日:
京都コンサートホール

2019年のオーケストラ公演セット券「BIG3」の詳細が決定しました!全3公演をご紹介します。

まず海外オーケストラとしては、初京都公演となる「ベルギー王立リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団」(6/29)と、アメリカの“ビッグ5”の一つである「フィラデルフィア管弦楽団」(11/3)が登場します。
そして4回目の開催となる「京響スーパーコンサート」(11/23)では、世界トップクラスの合唱団「スウェーデン放送合唱団」をゲストに迎えて、マエストロ広上淳一&京都市交響楽団と共に至福の時をお届けします。


若き巨匠アルミンクとベルギー名門オケが魅せる、華麗なる音の世界
ベルギー王立リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団

(C) Audrey de Leval

1960年にベルギー出身の指揮者ファルナン・キネによって創設された「ベルギー王立リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団」。アムステルダムやパリ、ウィーンといったヨーロッパの主要都市をはじめ、世界中でその演奏を聴かせてきたベルギー名門オーケストラです。これまでに、ルイ・ラングレやパスカル・ロフェ、フランソワ・グザヴィエ・ロトといった歴代の音楽監督たちが築いてきた「リエージュ」ならではの伝統を受け継ぎながら、2011年からは若き巨匠クリスティアン・アルミンクが独自のサウンドを構築してきました。その音色は驚くほど華やかで豊かな色彩感に満ちています。

京都での登場は今回が初!どうぞお聴き逃しなく。

 

鈴木大介(C)Matsunao Kokubo

★公演詳細★
[日時]2019年6月29日(土)14:00開演(13:15開場)

[指揮]クリスティアン・アルミンク(ベルギー王立リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団音楽監督)
[ギター]鈴木大介

[プログラム]
ルクー:弦楽のためのアダージョ
タン・ドゥン:ギター協奏曲「Yi2」
ブラームス:交響曲第1番 ハ短調 op.68

[一回券]
S 14,000円 A 10,000円 B 7,000円 C 5,000円 D 3,000円 *会員は各席種1割引
会員先行発売:1月26日(土)/一般発売:2月2日(土)

[主催]KAJIMOTO


ネゼ=セガンのタクトに酔いしれる――
衝撃と感動の“フィラデルフィア・サウンド”!

フィラデルフィア管弦楽団

(C)Jessica Griffin

「フィラデルフィア管弦楽団」はアメリカの「ビッグ5」の一角を占めるスーパー・オーケストラです。その輝かしい音色は「フィラデルフィア・サウンド」と呼ばれており、熱狂的なファンがいるほど。その音楽性を支えてきた歴代の音楽監督――ストコフスキーやオーマンディ、ムーティにサヴァリッシュなど――の面々を見れば、このオーケストラがいかに名門であるかがわかるでしょう。そして2012年より、この輝かしいポストを務める人物こそが、いま世界中で注目を集める若手指揮者ヤニック・ネゼ=セガンです。今回のプログラムは民族色濃い名曲中の名曲、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番とドヴォルザークの「新世界より」。ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールの覇者ハオチェン・チャンのピアノも必聴必見です。

ハオチェン・チャン

★公演詳細★
[日時]2019年11月3日(日・祝)15:00開演(14:00開場)

[指揮]ヤニック・ネゼ=セガン(フィラデルフィア管弦楽団音楽監督)
[ピアノ]ハオチェン・チャン

[プログラム]
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 op.18
ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 op.95「新世界より」

[一回券]
S 20,000円 A 16,000円 B 12,000円 C 8,000円 D 5,000円 *会員は各席種1,000円引
会員先行発売:5月12日(日)/一般発売:5月19日(日)

[協賛]株式会社ゼロ・コーポレーション


世界トップクラスの合唱団、待望の京都初登場!
京響スーパーコンサート
「スウェーデン放送合唱団×京都市交響楽団」

2019年の京響スーパーコンサートも熱い!なんと世界トップクラスの選ばれし合唱団「スウェーデン放送合唱団」をゲストに迎えて、マエストロ広上淳一&京都市交響楽団とステージを繰り広げます。ベルリン・フィルなど世界の超一流オーケストラからの信頼も厚いスウェーデン放送合唱団が今回選んだ作品は、合唱音楽の最高峰であるモーツァルトの《レクイエム》です。広上&京響とどのような「モツレク」を繰り広げるのか、期待が高まります。もちろん、カップリングされているモーツァルトの《交響曲第25番ト短調》も珠玉の名曲。オール・モーツァルト・プログラムで、余すところなくスウェーデン放送合唱団と京響の魅力をご堪能いただきます。

広上淳一(C)Greg Sailor

★公演詳細★
[日時]2019年11月23日(土・祝)14:00

[指揮]広上淳一(京都市交響楽団常任指揮者兼ミュージック・アドヴァイザー)
[合唱]スウェーデン放送合唱団

[プログラム]~オール・モーツァルト・プログラム~
歌劇「皇帝ティートの慈悲」K.621より序曲
交響曲第25番 ト短調 K.183
レクイエム ニ短調 K.626

[一回券]
S 9,000円 A 7,000円 B 5,000円 C 3,000円 *会員は各席種500円引
会員先行発売:6月8日(土)/一般発売:6月15日(土)

京都市交響楽団(C)伊藤菜々子

★★ お得な3公演セット券「BIG3」 ★★

★セット券料金(全席指定・3公演共通座席)
S席セット券 38,000
A席セット券 29,000

★販売期間
*会員先行期間 1月12日(土)~19日(土)
一般販売期間 1月20日(日)~3月24日(日)

★特典
①1回券より10%OFF !
②3公演を共通座席「マイシート」で味わえる
③演奏会当日、会場にてツアープログラム(有料)をプレゼント!
(※11/23京響スーパーコンサートを除く)

*会員:京都コンサートホール・ロームシアター京都Club(会費1,000円)と京響友の会の会員が対象。
※出演者、曲目、曲順など内容が変更になる場合がございます。予めご了承ください。

 

「北山クラシック倶楽部2019」前半セット券のご案内

投稿日:
アンサンブルホールムラタ

ワールド・ワイドに活躍するアーティストたちの演奏を510席の室内楽専用ホール アンサンブルホールムラタで聴く「北山クラシック倶楽部」。2019年前半3公演のラインナップを発表します!

今回は、ワールド・ワイドに活躍する実力派、世界有数の管楽器奏者たち、最前線を走る若手アーティストが登場。演奏者の胸の高まりまで共有できる「アンサンブルホールムラタ」で本物の感動を体験ください。


フレンチ・ピアノズムの継承者
エリック・ル・サージュ ピアノ・リサイタル

「北山クラシック倶楽部」シリーズに、フランスの名ピアニスト、エリック・ル・サージュが登場します!ル・サージュは、シューマン演奏の第一人者として国際的評価を確立し、現代フランスを代表するピアニストのひとりとして知られています。レコーディングでは偉業とも言える、シューマンのピアノ独奏曲全集(全13枚/ドイツ・レコード批評家賞受賞)やフォーレの室内楽作品全集(全5枚)など多数の収録があります。今回のリサイタルでは、そのシューマンと自国の作曲家ドビュッシーとフォーレの作品が組まれました。温かな音色、溢れ出す詩情。インスピレーションに満ちたル・サージュの音楽世界にたっぷりと浸れる一夜です。

[日時]5月10日(金)19:00開演

[プログラム]
ドビュッシー:子供の領分
フォーレ:夜想曲第6番 変ニ長調 op.63
シューマン:子供の情景 op.15 ほか

[一回券]
全席指定 一般 4,000円/*会員 3,600円
会員先行発売:2月6日(水)/一般発売:2月9日(土)

[主催]E アーツカンパニー


ロンドンの名門オーケストラで活躍する金管奏者による夢のブラス・セプテッ
セプトゥーラ(金管七重奏)

金管ファンが待ち焦がれていた「セプトゥーラ」の初来日、初京都公演が遂に実現します!
「セプトゥーラ」は、ロンドン響、BBC響、ロイヤル・フィルなど、イギリスを代表するオーケストラで活躍する凄腕の金管奏者たち7名によるアンサンブル。金管ファンも金管初体験の方にも、自信を持ってお勧めしたい夢のブラス・セプテットです。クールな7人の英国金管騎士たちに会いに来てください!

[日時]6月18日(火)19:00開演

[メンバー]
トランペット:フィリップ・コブ(ロンドン響)、アラン・トーマス(BBC響)、サイモン・コックス(オーロラ管)
トロンボーン:ピーター・ムーア(ロンドン響)、マシュー・ナイト(ロイヤル・フィル)、ダニエル・ウェスト(フリー)
テューバ:サーシャ・コウシュク=ヤラリ(フリー)

[プログラム]
ヘンデル:リナルド組曲
ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第8番 ハ短調 op. 110
ガーシュウィン:パリのアメリカ人 ほか

[一回券]
全席指定 一般 3,500円/学生 2,500円/小学生 500円 /*会員 3,150円
会員先行発売:2月10日(日)/一般発売:2月16日(土)

[主催]プロ アルテ ムジケ


名だたる巨匠達が絶賛の言葉を惜しまない、実力派アンサンブル
ノトス・カルテット(ピアノ四重奏)

このシリーズ初のピアノ・カルテット(編成:ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・ピアノ)の登場です。名称の「ノトス」は、様々な性格を持つギリシャ神話の“南の風ノトス”に由来しています。その名の通り、演奏を通して各楽曲の持ち味を余すところなく発揮。2017年にはドイツのグラミー賞と言われるエコー賞の新人賞を獲得し、脚光を浴びました。彼らの演奏活動で注目すべきは、バルトークのピアノ四重奏曲を取り上げたことでしょう。室内楽ファンの方なら「バルトークにそんな曲があったかな?」と首をかしげるかもしれません。実はこの作品、ノトス・カルテット自身が楽譜の存在を発見したのです。しかもソニー・クラシカルのデビューCDで世界初録音も行い世間から一躍大注目を浴びました!
ヨーロッパ音楽界の最前線を走るノトス・カルテット。ぜひ、お聴き逃しなく。

[日時]7月2日(火)19:00開演

[メンバー]
アントニア・ケスター(ピアノ)シンドリ・レデラー(ヴァイオリン)
アンドレア・ブルガー(ヴィオラ)フィリップ・グラハム(チェロ)

[プログラム]
ブラームス:ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 op.25
バルトーク:ピアノ四重奏曲 ハ短調 op.20(日本初演)ほか

[一回券]
全席指定 一般 3,000円/*会員 2,700円
会員先行発売:3月9日(土)/一般発売:3月17日(日)

[主催]E アーツカンパニー


★★ お得な3公演セット券 ★★

☆セット券料金
全席指定(共通シート) 9,000円 <限定100セット>

☆販売期間
*会員先行:1月13日(日)~1月25日(金)
一般:1月26日(土)~2月2日(土)

*会員:京都コンサートホール・ロームシアター京都Club(会費1,000円)と京響友の会の会員が対象。

※出演者、曲目、曲順など内容が変更になる場合がございます。予めご了承ください。

★ 次回予告 ★

「北山クラシック倶楽部2019」後半セット券(2019年10月~2020年1月)

アンサンブル・ウィーン=ベルリン(木管五重奏) 2019年10月2日(水)
ヴィジョン弦楽四重奏団             2019年10月24日(木)
ゲイリー・カー(コントラバス)         2019年11月15日(金)
フォルクハルト・シュトイデ(ヴァイオリン)   2020年1月(日程未定)

2019年4月発売予定。乞うご期待!

京都市少年合唱団 特別インタビュー(パリ木の十字架少年合唱団クリスマスコンサート (12/1) に寄せて)

投稿日:
京都コンサートホール

12月1日14時開演の「パリ木の十字架少年合唱団クリスマスコンサート」。パリ木の十字架少年合唱団のみなさんがクリスマスにちなんだ作品を中心に、素敵な歌声を聞かせてくださいます。

さて、その演奏会の最後に披露されるのが、京都市少年合唱団のみなさんとの共演ステージです。今年、京都・パリ友情盟約締結60周年/日仏友好160周年にあたるメモリアルイヤーということもあり、このワクワクするような共演が実現したのでした。

まず、京都市少年合唱団のみなさんが歌ってくださる曲は、鈴木憲夫作曲の混声合唱組曲《永久二(トコシナニ)》という作品から第1曲〈永久二〉です。
この曲は単独ステージとして歌われます。楽しみですね。
その次に、パリ木の十字架少年合唱団と一緒に、ジョン・ラターの《このうるわしき大地に(For the beauty of the earth)》とジョン・レノン&ヨーコ・オノの《ハッピー・クリスマス》が歌われます。

この共演ステージの実現を記念して、今回京都市少年合唱団に所属するお二人、大島瑠月(おおしま・るる)さん(中学3年生・入団6年目)と、奥 保野加(おく・ほのか)さん(中学3年生・入団6年目)からお話を伺いました。

練習風景

――はじめまして、こんにちは!長時間にわたる練習、本当にお疲れ様でした。
今度、12月1日にパリ木の十字架少年合唱団との共演で、京都コンサートホールにお越しくださいますよね。ありがとうございます!
さっそくですが、京都市少年合唱団での日頃の活動や練習についてお聞かせくださいますか?

大島さん(以下敬称略):京都市少年合唱団では、夏と冬の演奏会に向けて毎週土曜日に約200名の団員で練習をしています。
今回の「パリ木の十字架少年合唱団」との演奏会に出演するメンバーは、選抜グループ(男女混合)の「響(ひびき)」です。
「響」は全団員200名のうち60数名が集まっており、主に外部出演を中心に活動しているグループです。「響」は、“もっといろいろな場所で合唱をしたい!”と思っているメンバーが集まっています。
いつも和気あいあいとしていて、とても良い雰囲気のなか練習を行っています。
「響」では、京都市交響楽団と《カルミナ・ブラーナ》(※2017/7月、京都ミューズ主催)や《戦争レクイエム》(※2018/8月定期)などで共演したり、佐渡裕さん指揮の「一万人の第九」など、色々な演奏会にも出演しています。

――へえ、いろいろなグループに分かれて歌っていらっしゃるんですね!知りませんでした。ほかにはどのようなグループがあるのですか?

大島:女子のグループは「都紅葉(みやこもみじ)」と「京桜(みやこざくら)」の2グループで、男子は「みやこ光(ひかり)」というグループがあります。

大島 瑠月さん(右)
奥 保野加さん(左)

――なるほど、いろいろなグループに分かれて、さまざまな歌唱練習をなさっているのですね。
さて、今回の演奏会では単独曲として1曲、共演ステージで2曲歌ってくださいますね。それぞれ、どのような作品か教えてくださいますか。

奥さん(以下敬称略):京都市少年合唱団が単独で歌う曲は《永久ニ》という曲です。鈴木憲夫さんが作曲した曲で、古い日本語を使った作品です。聴きごたえがあって、迫力もあり、私たちもとても気に入っています。

「パリ木の十字架少年合唱団」と共演するのは、《このうるわしき大地に(For the beauty of the earth)》と《ハッピー・クリスマス》の2曲です。
《ハッピー・クリスマス》は、これから私たちが暮らしていく世の中が、恐怖のない平和な世界になるようにとの願いが込められている曲です。
この曲を2つの合唱団で歌うことで、そのことを確かめられるかなと思って練習をしています。
ラターの《このうるわしき大地に(For the beauty of the earth)》は明るくて綺麗な曲で、自然の豊かさを表している曲です。

――お話を伺っているだけで「どんな曲なんだろう」と楽しみになってきました。
それでは最後に、演奏会に向けての意気込みを聞かせてください。

大島:フランスの同年代の合唱団と共演するという機会がこれまでなかったので、本当にうれしく思っています。
私たち京都市少年合唱団にもボーイソプラノだけのグループがありますが、パリ木の十字架少年合唱団はソリストの集まりとも言われているので、どんな響きがするのかとても楽しみです。

:文化も言葉も違うけれど、国を越えて音楽でつながることができるのがとても楽しみです。お客さんにも私たちの交流を聴いてもらってハッピーになってもらいたいです。
また、お客さんにとってクリスマスが良いものになるように、頑張って歌いたいと思います。

――わたしたちもみなさんがパリ木の十字架少年合唱団と共演してくださることを、とても楽しみに待っています!
今日はお忙しいところ、お時間を取ってくださって本当にありがとうございました。コンサート当日、ホールでみなさんをお待ちしております!

(2018年11月17日京都コンサートホール事業企画課インタビュー@京都市立堀川音楽高等学校、協力:京都市少年合唱団)

パリ木の十字架少年合唱団クリスマス・コンサート →HP

パリ木の十字架少年合唱団 (12/1) 団員インタビュー

投稿日:
京都コンサートホール

12月1日(土)14時より、京都コンサートホール大ホールで開催される「パリ木の十字架少年合唱団 クリスマス・コンサート」。
彼らが十八番とする宗教音楽からポピュラーなクリスマス・ソングまで、幅広いレパートリーをプログラミングしております。
また、今年は京都・パリ友情盟約締結60周年/日仏友好160周年にあたるので、それを記念して京都市少年合唱団との共演も披露します。

そこで今回、パリ木の十字架少年合唱団の団員8人から、コンサート開催に向けてさまざまなお話をお聞きすることが出来ました。

パリ木の十字架少年合唱団

――こんにちは!みなさんはパリ木の十字架少年合唱団の団員でいらっしゃいますが、なぜこの合唱団に入団しようと思ったのでしょうか。

ブドゥアン:僕は近所で、パリ木の十字架少年合唱団の演奏を聴いたことがありました。その時、この合唱団に入団したいなと思ったんです。
寄宿舎で生活するという点も魅力的でした。そのなかでも特に、経験豊かな先生方の歌指導を受けられるという点に惹かれました。

ブドゥアン・クルニエ

アントワーヌ:僕はパリ木の十字架少年合唱団のメンバーと知り合いで、彼から合唱団のお話を聞いているうちに、自分もメンバーになりたいなぁと思ったことがきっかけです。

イリエ:僕の兄がパリ木の十字架少年合唱団のメンバーだったんです。彼は、ここでの活動がとてもプラスになっていると言っていました。だから自分も同じ道に進もうと決めたんです。

イリエ・ドゥ・フーコー

――みなさん、パリ木の十字架少年合唱団に憧れて、入団されたんですね。その少年合唱団では、普段どのような生活をなさっているのですか?

マラン:毎朝8時から2時間、声楽の練習があります。残りの時間は一般教養(歴史や算数、英語など)を学んでいます。夜の6時30分までです。夕食は6時45分からで、その後は寄宿舎に戻ってサッカーや読書をしたり、音楽を聴いてくつろいだり、宿題をしたりしています。

マラン・ブリュオー

――まぁ!厳しい訓練を積まれているのですね…驚きました。
パリ木の十字架少年合唱団の活動のどこに魅力を感じていらっしゃるのですか?

アレクシス:もちろん、歌うことです。あとは、旅行出来るところかな。

アレクシス・クルニエ

アレクサンドル:様々な文化を知ったり、いろいろな国の人々に出会ったり、新しい食べ物に挑戦したり・・・パリ木の十字架少年合唱団での活動は本当に楽しいです。

アレクサンドル・レイ

ディミトリ:日本に演奏旅行出来ることは本当に特別な経験です。日本は素晴らしい国ですから。自分たちはとても運が良いと思います。

――いま日本での演奏旅行のお話が出ましたが、みなさんは11月末から12月はじめにかけて、日本ツアーを実施しますよね。京都では12月1日にコンサートを開催します。
このプログラムの中で、みなさんが一番好きな作品は何でしょう。

マラン DF:ラターの《このうるわしき大地に》は、僕の大好きな曲です。というのも、この作品は地球の美しさや、神様がどのようにしてこの素晴らしい世界を創造したかを歌い上げているからです。

マラン・ドゥ・フジュルー

ブドゥアン:僕の好きな曲はバッハの《主よ、人の望みの喜びを》です。バッハは素晴らしい作曲家ですよ。ピアノ伴奏も美しいです。

アントワーヌ:僕の好きな曲はブクステフーデの《アレルヤ》で、神を讃えた歌です。とても元気で幸せになれる曲なんですよ。

――ありがとうござぃます!演奏会当日は「あ、マラン君が好きな曲だ!」とか「これはブドゥアン君とアントワーヌ君がお気に入りの曲!」など想像しながら拝聴しますね。

それでは最後に、日本の聴衆のみなさまにひとこと、メッセージをお願いします。

8人全員で:日本は素晴らしい国で、いつも温かく迎えてくださってとてもうれしく思っています。日本で演奏し、日本や日本の文化に触れる機会をいただき、僕たちはとても幸せです。コンサートでお会い出来るのを楽しみにしています!

パリ木の十字架少年合唱団

――みなさん、ありがとうございました!12月1日、京都でお待ちしております!

 

(2018年11月、京都コンサートホール事業企画課メールインタビュー)

 

【光と色彩の作曲家 クロード・ドビュッシー 特別連載⑥】ハーピスト 福井麻衣に迫る<その2>

投稿日:
京都コンサートホール

京都コンサートホールスペシャル・シリーズ『光と色彩の作曲家 クロード・ドビュッシー』の第2回「ベル・エポック~サロン文化とドビュッシー~」にご出演いただく福井麻衣さん。
12年のパリ生活を経て、現在では日本を代表するハーピストとして国内外で活躍を重ねていらっしゃいます。

わたしたちはそんな福井さんの魅力に迫るため、今回特別インタビューを敢行しました。
前回のインタビューでは楽器を始められたきっかけやパリ時代のお話をお伺いしましたが、今回はドビュッシーとハープの話など、音楽に関するお話をたくさんお聞かせくださいました。

ハープ奏者 福井麻衣

――ところで、私たちにとって「ハープ」はまさに「憧れの楽器」なのですが、不思議なことにハープの曲ってあまり知らないんですよね。ハープ奏者の方々は、どのような作曲家の作品をレパートリーとされているのでしょうか。

福井麻衣さん(以下敬称略):そうですねぇ……フランスだとやはりドビュッシー、フォーレになりますかね。残念ながら、ハープソロって曲が少ないんです。「オリジナル(原曲)」という意味で言いますと、ドビュッシーはハープ独奏は(コンチェルト「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」を除くと)1曲も作曲していませんし、フォーレもあまり書いていないです。
もちろん、ドビュッシーのピアノ作品――たとえば、〈アラベスク〉とか〈亜麻色の髪の乙女〉などは、ハープで演奏してもとても美しい作品なので、わたしはよく演奏しています。
フォーレに関して言うと、ハープソロの作品で重要なものが2作品あります。《塔の中の王妃》 op.110 と《即興曲》 op.86 ですね。
そのうち《塔の中の王妃》は今回のコンサートで演奏させていただきます。
この2曲は音楽的に言えばとても対照的な作品で、コンクールでも課題曲としてしょっちゅう取り上げられています。
《即興曲》の方はとてもオープンな曲で、テクニック的に非常に難しいです。
一方の《塔の中の王妃》は、内面的な作品というか、自分の内に秘められたものを探し出して表現しなければいけない曲です。
この2曲はハープを学ぶ者であれば誰しもが「絶対勉強したい!」と思う曲ですね。ハーピストにとってフォーレは特別な存在なのです。

あとは、ハープ奏者兼作曲家、みたいな人ですかね。やっぱりマルセル・トゥルニエ (1879-1951, フランスのハープ奏者であり作曲家)とかアンリエット・ルニエ (1875-1956, フランスの女性ハーピストで作曲家)でしょうね。

――いま挙げてくださった作曲家の方々は皆フランス人ですよね。やっぱりフランスにとってハープは特別な楽器なのでしょうか。

福井:そうですね、ハープの歴史を辿っていくと色々なことが分かります。もちろん古代エジプトやアイルランドで演奏されていた民族楽器の存在は外せませんが、ハープってどんどん開発が進んでいった楽器なんです。
いまのハープと同じようなペダル・アクションが開発された時代は19世紀あたりになるんですけど当時フランスのエラール社が「ダブルアクションハープ」というものを開発したんです。

――エラールというと、ピアノで有名な楽器メーカーですね。

福井:そうです。ハープも作ってられて、当時代表的なハープといえばエラールハープだったそうです。今は残念ながら製作されていないんですけど。
そのエラールハープが全盛期を迎えていたのが、ちょうどフランスの印象派と呼ばれる作曲家たちが活躍した時代と同時期だったのです。フォーレとかドビュッシーの時代ですよね。
なので、当時はハープの開発が進み、ハープの曲を書く作曲家も活躍し、加えてピエール・ジャメ(1893-1991, フランスのハーピストでマリー・クレール=ジャメの父にあたる)やリリー・ラスキーヌ(1893-1988)といった素晴らしいハーピストがいらして・・・「楽器・作曲家・奏者」といった3つの交流がとても良い形で存在した時代でした。

――その流れはピアノと一緒ですね。ピアノの発展もそんな感じです。ピアノが発展するのと一緒に、楽曲もどんどん発展してきて、楽器製作家と作曲家、そしてピアニストたちが意見交換しあって…

福井:そうですよね。ちなみに、ピエール・ジャメというフランスのハーピストは、今回の演奏会で演奏させていただくドビュッシーの《フルートとヴィオラ、ハープのためのソナタ》を初演したハーピストでもあるんです。

――いま話題に出ましたが、ドビュッシーは自作にハープをたくさん起用していますよね。
ドビュッシーにとってハープはどのような存在の楽器だったのでしょうか。

福井:ドビュッシーとハープに関する話は色々な逸話が残されていますが、すごくハープが好きだったようです。ドビュッシーはとても繊細な人だったと言われているので、繊細な表現が出来るハープに強く惹かれたのではないかなって思います。

Claude Debussy

――彼の重要な作品には必ずハープを使っていますもんね。

福井:そうですよね、オーケストラの作品でもたくさん使っていますから。たとえば、《牧神の午後の前奏曲》とか《海》とかでも。

――《ビリティスの歌》でも2台のハープを使っていますね。

福井:そうですね、使っています。
そういえば、パリに留学していた時、アナリーゼのクラスを担当していた先生にフランス国立図書館に連れて行ってもらったことがあります。
そこにはドビュッシーのマニュスクリプト(手書きの楽譜)が保存されていて、そのときに見た作品はドビュッシーの〈花火〉でした。それを見て驚いたのですが、ドビュッシーの書き方ってすっごく細かいんです。それを見て「すごくきめ細やかな人だったのかもしれない」と思いました。
でも、筆致はすごく細かいんですけど、自分の意図はこうだっていうはっきりしたものもあるように思います…。自分の書いたものに対して「絶対にこれはこういうふうに守って弾いていただきたい」という強い部分と、繊細な部分と、二面性を持っていたのかなというように思います。

ドビュッシー〈花火〉のマニュスクリプト

――そういうことって印刷譜では絶対にわからないことですよね。作曲家の筆を確かめることは、演奏家にとっては非常に大事なことだと思います。

福井:わたしもとても貴重な体験をさせていただいたと思いました。
当時はいまと違って、毎回こう、筆先にインクをつけ直して書いていましたよね。そういう青いインクの跡を見て、本当に感動したんです。特に〈花火〉って華やかな曲じゃないですか。
それなのに、ドビュッシーはすごくきめ細やかに書いていたんだなぁと思いました。

――それではそろそろ最後の質問をしたいと思います。
今回、ドビュッシー・シリーズの第2回にご出演いただきますが、この公演の見どころや聞きどころを教えてくださると嬉しいです。

福井:そうですね。やはり、「サロン文化」と「サロンコンサート」的な側面に注目していただきたいということでしょうか。例えば、フォーレとかドビュッシー、イベールにサン=サーンスといった曲を演奏しますが、当時のサロンでは彼らの曲は非常に人気だったんです。そういう作品を一つのコンサートに集約して演奏するという、サロン風のコンサートって日本中どこを探しても京都コンサートホール以外に無い、と思うんですね。
それを企画していただいた京都コンサートホールにすごく感謝しています。
そのために、どうにかして自分の経験を生かして、聴衆の皆さまにフランスの“味”をお届け出来たら良いなと思います。
そういう意味も込めて、こちらのハープを持ってきました。このハープはフランス製なのです。これはカマック社のハープで、フランスを代表するハープメーカーです。
たくさんのハーピストがこのカマック社の楽器を使用していますが、やはりフランスのハープ会社が作っているだけあって、フランス音楽は奏でやすいと思っています。
色々な音色が出てくるんです。なので、このハープでフランス音楽を演奏したいなぁと思ってこの楽器を選びました。

あとは、ドビュッシーの《フルートとヴィオラ、ハープのためのソナタ》はわたしがパリ音楽院の室内楽の授業で初めて学んだ曲なのですが、すごく奥深い作品で大好きな曲です。
パリ音楽院では、先生方からフランスの色々な歴史を踏まえてさまざまなことを教えていただきました。それは今でも大きな財産になっています。
今回、素晴らしい共演者の方々とこの曲を演奏させていただけるので、本当にたのしみにしています。

――私たちも本当に楽しみにしています。今日はお忙しいところ、インタビューに応じてくださってありがとうございました。

福井:こちらこそ、ありがとうございました。

(2018年5月16日京都コンサートホール事業企画課インタビュー
@アンサンブルホールムラタ ホワイエ)


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【第1回】ドビュッシーとパン(牧神)
【第2回】
進々堂 続木社長インタビュー(前編)
【第3回】進々堂 続木社長インタビュー(後編)

【第4回】ピアニスト 永野英樹に迫る
【第5回】ハーピスト 福井麻衣に迫る<その1>