「芸術の秋」を京都コンサートホールで――「京都の秋 音楽祭」開幕!

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アンサンブルホールムラタ

国内外の著名アーティストや地元ゆかりの演奏家たちを中心に毎年開催される「京都の秋 音楽祭」。
21回を数える今年も、開催期間中の9月17日から11月26日まで、全23の多彩な公演が繰り広げられます。
音楽祭ならではの祝祭感・高揚感は、この時期にしか味わえないもの。
みなさまに京都コンサートホールにて素敵な「芸術の秋」を過ごして頂きたく、「第21回京都の秋 音楽祭」ラインナップから、おすすめの公演をいくつかご紹介します。

◆9月17日(日)14時開演(大ホール)  第21回京都の秋 音楽祭 開会記念コンサート<チケット完売>
広上淳一と京響がお届けする開会記念コンサート。今年は、ラフマニノフ《交響曲第2番》とショパン《ピアノ協奏曲第2番》(ピアノ:ルーカス・ゲニューシャス)を披露します。オープニングに相応しい豪華プログラムです。

広上淳一
R. ゲニューシャス ©Jean-Baptiste Millot

9月20日(水)19時開演(アンサンブルホールムラタ) 工藤重典(フルート)&リチャード・シーゲル(チェンバロ)デュオ・リサイタル
日本が誇るフルーティスト工藤重典とチェンバロ奏者リチャード・シーゲル。長年にわたり共演を重ねてきた2人が選んだプログラムは、ルイ14世時代の豪華絢爛なフレンチとバッハ父子のフルート・ソナタです。「黄金のデュオ」が奏でる軽妙洒脱なバロック音楽で、秋の夜長をお楽しみください。

工藤重典&R. シーゲル

◆9月24日(日)14時開演(大ホール) 第7回関西の音楽大学オーケストラ・フェスティバルIN 京都コンサートホール
関西の音大・芸大8校が一堂に会するオーケストラの祭典。秋山和慶指揮で、モーツァルトの《レクイエム》、レスピーギの《ローマの噴水》・《ローマの松》が演奏されます。瑞々しい音色と確かな演奏技術に定評のある公演です。

※写真は昨年度の模様

◆10月9日(月・祝)15時開演(大ホール) ルツェルン祝祭管弦楽団
ルツェルン祝祭管弦楽団(LFO)は、音楽祭の時期に合わせて夏のみ結成される特別なオーケストラです。指揮は、2016年にLFOの音楽監督に就いた巨匠シャイー。オールR・シュトラウスで、世界随一の音色を響かせます。

LFO&シャイー ©Peter Fischli/ LUCERNE FESTIVAL

◆10月12日(木)19時開演(アンサンブルホールムラタ) マキシミリアン・ホルヌング(チェロ)&河村尚子(ピアノ)デュオリサイタル
いま世界中から熱い視線を集める、チェロ奏者ホルヌング。今回はピアノに河村尚子を迎え、ロマン派盛期の名作をプログラミング。ブラームスのチェロ・ソナタ1番で始まり同2番で終わる贅沢な一夜を、若きチェリストと共にお楽しみください。

M. ホルヌング ©Marco Borggreve
河村尚子 ©Hirofumi Isaka

◆11月5日(日)14時30分開演(大ホール) 京都市交響楽団meets珠玉の東アジア
「東アジア文化都市2017京都」関連事業のひとつ、日中韓共同コンサート「京都市交響楽団 meets 珠玉の東アジア」。3ヶ国の管弦楽作品や《カルメン》を通して、国や民族を超えたハーモニーが響き渡ります。広上&京響、一流歌手陣や京響コーラス・京都市少年合唱団が繰り広げる豪華絢爛な演奏をお見逃しなく!

©伊藤菜々子

宮本益光

◆11月16日(木)19時開演(アンサンブルホールムラタ) デジュー・ラーンキ ピアノ・リサイタル
かつて、A・シフやZ・コチシュとともに「ハンガリーの三羽烏」と呼ばれたラーンキ。甘いマスクと優美なピアノで一世を風靡しましたが、いまやハンガリーを代表する巨匠ピアニストに。そんなラーンキが選んだプログラムは、すべて「B-dur(変ロ長調)」。ハイドン、ブラームス、シューベルトによる多彩な「B-dur」をお楽しみください。

D. ラーンキ © Palace of Arts-Budapest, Szilvia Csibi

◆11月18日(土)18時開演(大ホール) ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
128年の歴史を誇るロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団。7代目首席指揮者に就任したダニエレ・ガッティが振る、ハイドン《チェロ協奏曲第1番》とマーラー《交響曲第4番》は必聴必見です。個性豊かなソリストたちにもご注目ください。

RCO ©SimonVanBoxtel

この他にも、さまざまな公演が目白押しです。
皆さまお誘い合わせのうえ、京都コンサートホールで贅沢な「芸術の秋」をお楽しみください!

【第21回 京都の秋 音楽祭 イベント情報】
期間:平成29年9月17日(日)~11月26日(日)
会場:京都コンサートホール 大ホール(1,833名)/アンサンブルホールムラタ(510名)
公演:全23公演
内容:ソロから室内楽、京都コンサートホールのフランチャイズ・オーケストラ「京響」や海外名門オーケストラ、邦楽アンサンブルなど多彩な公演が開催されます。
主催:京都市/京都コンサートホール(公益財団法人 京都市音楽芸術文化振興財団)
チケット問い合わせ先:京都コンサートホール 075-711-3231 (10:00-17:00/第1, 3月曜休)

第21回京都の秋音楽祭総合パンフレット (PDFでご覧いただけます)

フランソワ・エスピナス 特別インタビュー

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インタビュー

9月16日(土)午後2時開催「オムロン パイプオルガン コンサートシリーズVol.60 『世界のオルガニスト』」。ヴェルサイユ宮殿王室礼拝堂首席オルガニストのフランソワ・エスピナスが、十八番のフランス音楽を中心に魅惑のプログラムを組みます。おかげさまでチケットは完売となりました。
今回、フランソワ・エスピナス京都初公演を記念して、特別インタビューをみなさまにお届けします。オルガンとの出会いからフランス珠玉のオルガン・レパートリーの話まで、フランス随一のオルガニスト フランソワ・エスピナスの素顔を知ることが出来る貴重な内容です。

©Emma POMMER

――現在エスピナスさんは、フランスを代表するオルガニストとして国内外で大活躍されていらっしゃいますが、オルガンを始められたきっかけは何ですか?
フランソワ・エスピナス氏(以下エスピナス、敬称略): 私は昔、アルビという南仏の街に住んでいたのですが、そこにはとても美しいパイプオルガンを備える素晴らしい教会がありました。そのオルガンを聴いた時、恋に落ちたのです。たしか、8歳か9歳の時でした。それからピアノを習い始めて、13歳の時にオルガンを弾き始めました。

アルビ大聖堂のパイプオルガン。1736年クリストフ・ムシュレル作

――エスピナスさんをそこまで惹き付けるオルガンの魅力とは何でしょう。
エスピナス: オルガンは非常に多彩な楽器です。製作される国と時代によって楽器の構造や機能が異なりますし、楽器によって音楽や音色も変わってきます。私がオルガンに魅了され続ける理由はここにあります。こういった多彩さがオルガンの魅力です。

――2016年、エスピナスさんは新しいCDを出されましたね。その中で、フランスの偉大なオルガニストであるアンドレ・イゾワールが編曲したJ.S.バッハの作品を演奏していらっしゃいます。イゾワールはあなたの師匠でもありますよね。彼との思い出話をひとつ教えてくださいますか。
エスピナス: このCDは、私の親友であり同僚でもあるミシェル・ブヴァールと一緒に出したものです。私も彼もイゾワールの弟子でした。イゾワール先生との思い出はたくさんありますね…ひとつ選ぶのが難しいくらいです。一緒に歴史的オルガンを見に出かけたこと、一緒に東京を旅したことなど…。その中でも、最後の思い出は特に心動かされるものでした。イゾワール先生が亡くなる数ヶ月前、彼はすでに重篤な状態だったのですが、ブヴァールと一緒に出したCDを聴いてもらうために自宅を尋ねました。すると先生は微笑んでくださったのです。それが忘れられません。

2016年リリースのCD (la dolce volta)

――フランスには素晴らしいオルガンがたくさんあります。たとえば、パリのノートルダム大聖堂やサン・シュルピス教会、フィルハーモニー・ド・パリ、リヨンのモーリス・ラヴェル・オーディトリウムなどのオルガンは本当に素晴らしい楽器です。京都コンサートホールにも、日本でも最大級の素晴らしいオルガンがあります。この楽器について、どんな印象を持たれましたか?
エスピナス: うーん、この質問にお答えするのは難しいですね。なぜならこの質問に答えている時点では、まだそのオルガンを演奏したことがないからです。でも早くこの楽器を知りたいですし、絶対に素晴らしい楽器だと思います。

京都コンサートホールのパイプオルガン。ヨハネス・クライス社製

――ところで、エスピナスさんにぜひお伺いしたいお話があるんです。
フランスの「王のオルガニスト」の歴史は非常に長く、その役割も重要なものでした。1678年からは1人のオルガニストが3ヶ月間、つまり1年で計4人のオルガン奏者が「王のオルガニスト」として職務に就いていました。例えば、フランソワ・クープランも1月から3ヶ月間「王のオルガニスト」を務めたという記録が残っています。エスピナスさんは2010年に、ヴェルサイユ宮殿王室礼拝堂オルガニスト4名の中に選ばれました。当時と現在を比較すると、オルガニストを4人選定するという共通点がみられますが、オルガニストとしての役割においてどのような違いがありますか?
エスピナス: 17~18世紀の王立礼拝堂オルガニストは「演奏会」をしませんでした。彼らの役割は、典礼時に演奏することに限られていたのです。
今日、王立礼拝堂では宗教的な行事はかなり減っています。私たちの役割は特にコンサートで演奏することで、その他には非営利団体や学校、企業のセミナーのために演奏することもあります。

ヴェルサイユ宮殿王室礼拝堂のオルガン。1709-10年ロベール・クリコ&ジュリアン・トリブォ作

――9月16日の京都コンサートホールでの公演プログラムには興味深い作品が並んでいますが、どのように選曲なさいましたか?
エスピナス:前半は、師であるアンドレ・イゾワールに対するオマージュです。彼は演奏家としても(素晴らしいグリニー全曲録音を出しています)、バッハ作品の編曲者としても、作曲家としても活躍しました。後半は、20世紀フランスの偉大な2人のオルガニストであるルイ・ヴィエルヌとモーリス・デュリュフレへのオマージュです。デュリュフレの《前奏曲、アダージョと「来たれ、創造主よ」の主題によるコラール変奏曲》は、プログラム冒頭に演奏するグリニーの作品に呼応しています。

アンドレ・イゾワール(1992年、Orgue en Franceより)

――現在、幸いなことに私たちはフランスの素晴らしいオルガン・レパートリーに恵まれています。フランスのオルガン作品の魅力を教えてください。
エスピナス: フランスのオルガン・レパートリーは本当に幅広く、非常にたくさんありますよね。ルイ・クープランやティトゥルーズといった前期バロック作品からグリニーやマルシャン、フランソワ・クープランといった後期バロック作品、19世紀初頭のボエリー、フランクやヴィドール、ヴィエルヌ、デュプレのロマン派的かつ交響曲的な作品、トゥルヌミール、デュリュフレ、ジャン・アランの近代的な作品もあります。また、20世紀から21世紀にかけてもたくさんの素晴らしいオルガニストやオルガン作曲家がいます。オリヴィエ・メシアンもそうですし、ジルベール・アミ、グザヴィエ・ダラス、ジャン=ルイ・フロレンツ、ヴァレリ・オーベルタンなど……。私は彼らの多彩な作品が好きで、よく演奏します。

©Emma POMMER

――さて、最後になりましたが、エスピナスさんの演奏会を心待ちにしている京都のファンに向けて一言お願いします!
エスピナス: 1986年に初めて京都を訪れたのですが、日本の歴史が凝縮された素晴らしい街でした。
日本を訪れると、いつも大きな喜びを感じます。ですので、このたび京都コンサートホールでオルガンを演奏し、みなさまにお会い出来ることをとても幸せに思います。

2017年7月 京都コンサートホール事業企画課 メールインタビュー(た)