秋晴の爽やかな日曜日、第7回目となる『関西の音楽大学オーケストラ・フェスティバルIN京都コンサートホール』が開催されました。
関西の8つの音大・芸大(大阪音楽大学・大阪教育大学・大阪芸術大学・京都市立芸術大学・神戸女学院大学・相愛大学・同志社女子大学・武庫川女子大学)がこの京都コンサートホールに集って開催される“音大フェス”。
今年もオーケストラと合唱によるエネルギーに満ち溢れた演奏を聴かせてくれました。
開演前、会場となった大ホールのホワイエには参加大学によるブースが設置され、音大・芸大への進学を目指す中高生で賑わいました。
また、今年はロビーコンサートを開催!大阪音楽大学(サクソフォン・カルテット)と大阪教育大学(金管アンサンブル)の学生が開演前のひとときを音楽で満たしてくれました。
さて、プログラム前半はモーツァルト作曲の《レクイエム》。「レクイエム」とはカトリック教会で“死者のためのミサ曲”。会場は厳かな空気に包まれました。
今年も指揮を務めてくださった秋山和慶先生。
第1回目の公演(2011年)から毎年、お忙しい合間を縫って関西まで指導に来てくださり、厳しくも優しい心で学生たちの成長を温かく見守ってくださっています。
レクイエムでソリストを務めた4名。音大フェスでは毎年合唱のソリストをオーディションによって選出しています。今年は5月半ばにオーディションが開催されましたが、オーディション内容が発表されたのはなんと3月!とても早くからこの日のために頑張ってきました。
本番の日を迎えるまでの約7ヶ月間、とても長く辛い日々だったと思いますが、この経験を糧にさらなる活躍を期待しています!
プログラムの後半はイタリアの作曲家、レスピーギによる交響詩《ローマの噴水》と《ローマの松》。ステージ上には数々の打楽器やハープに加え、ピアノやチェレスタ、オルガンなどの鍵盤楽器も登場!大編成の作品が聴けるのも音大フェスならではです。
《ローマの噴水》は「ローマ3部作」の中でも最も情景描写が素晴らしい作品。木管楽器やヴァイオリン、チェロの美しく繊細なソロに会場のお客様もグッと引き込まれていました。学生と言えど、さすがオーディションで選出されたメンバーですね!
※音大フェスでは各曲の管打楽器の首席はオーディションで選出しています。
つづいて《ローマの松》。
こちらも、オーディションで選ばれた各楽器の学生が見事なソロを聴かせてくれました。
今回会場にお越しくださった方はどこか遠くから鳥(ナイチンゲール)の鳴き声が聴こえたかと思います。普段は録音を流すことが多いのですが、音大フェスでは打楽器の学生が、3階バルコニーから“鳥笛”を使って見事にイタリアの松並木を再現しました(鳥笛の写真を取り損ねてしまったのが非常に残念です…)。
そして、この曲の聴きどころはなんといってもバンダ隊!(※バンダとは、オーケストラから離れた位置で演奏する小規模のアンサンブルのことです)
京都コンサートホールのバンダ・ボックスから重厚なファンファーレが響き渡りました。
いよいよ演奏会もクライマックス!
地底から鳴り響くようなオルガンの音に導かれ、壮大なラストへと向かいます。
演奏している学生も、客席のみなさんも、この日一番の高揚感に包まれたのではなかったでしょうか。
音大フェスの醍醐味は、普段は異なった大学・専攻で学ぶ学生たちがひとつのオーケストラ・合唱団を結成しみんなで音楽を作り上げていくところにあります。
毎年5月頃にオーディションでメンバーを選抜、8月末より練習がスタート。8つの大学から学生が集まるので最初は音も心もバラバラです。でも、練習を重ねるにつれオーケストラが一体となっていくのが手に取るように感じられます。また、練習では秋山先生をはじめ、各大学の先生方も大集合!学生にとってもとても貴重な学びの機会になっています。
これからの音楽界を担うであろう音楽家の卵たちが、音大フェスを通して、ここ京都コンサートホールから大きく羽ばたいていってくれることを願います!今後とも関西の音大生・芸大生をよろしくお願いします!京都コンサートホールも学生の皆さんを全力でバックアップしていきます。
おまけに。
終演後、ホワイエでのレセプションでのひとコマ。みなさん、充実感に満ちたとても良い笑顔!(や)