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2020

2020

ここでうまれる音 心つなぐ音楽

開館25年目の2020年は、言葉や民族、宗教の壁を超えて人々の心をつなぎ、
世界を平和へと導く「音楽の力」に注目したコンサートの数々をお届けする予定でした。
しかしながら、新型コロナウイルスの世界的蔓延により、その多くが中止を余儀なくされました。

コンサートを開催することは叶いませんでしたが、リモート合唱によるオンライン初演を行ったり、
感染防止策を講じて可能な限り公演を開催するなど、制限がかかる中でもさまざまな工夫を重ね、
皆様に音楽を届けてまいりました。

25周年の記念事業の数々をご紹介します。

「ひとりの声」が「みんなの歌」になる日Sing for Peace~KYOTO 2020コーラス・フェスティバル~開催中止

2020年5月22日(金)~24日(日)
大ホール、アンサンブルホールムラタ、エントランスホール、京都市内各所

京都コンサートホールの開館25周年を祝福するために、ホール初の3日間にわたるビッグイベント「Sing for Peace~KYOTO 2020 コーラス・フェスティバル~」を2020年5月22日~24日に企画しました。

本フェスティバルのテーマは「合唱と平和」。合唱音楽を通して、京都市民の方々はもちろん、日本各地や海外からの皆さまを巻き込んで地域活性化を図りながら、歌と共に「世界平和」を祈るために、京都コンサートホール全館を使用し、「合唱」で人々を感動の渦へと巻き込む、西日本最大級のコーラス・フェスティバルとなる予定でした。

ところが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による深刻な世界的現況に鑑み、本フェスティバルは全て中止となりました。

本フェスティバルでは、イギリスから特別ゲストとして、作曲家・合唱指揮者であるボブ・チルコット氏をお迎えし、フェスティバル委嘱作品としてチルコット氏が書き下ろした新作「Make us a channel of your peace(主よ、私をあなたの平和の手段としてください)」の初演を5月24日(日)「クロージング・コンサート」にて予定しておりました。初演の機会を失ってしまったこの作品の行方に心を痛めていた時、チルコット氏からリモート合唱での初演のアイディアをいただきました。

フェスティバルのために結成された合唱団「Sing for Peace Festival Choir」から有志メンバー142名が参加し、本来歌われる予定だった、同日17時からオンラインにて世界初演が実現いたしました。

初演動画は2021年3月までアーカイヴでご覧いただけます。この前代未聞のプロジェクトの模様は、大変話題を呼び、新聞記事やNHKなどに多く取り上げられました。

詳細は、「Sing for Peace~KYOTO 2020 コーラス・フェスティバル~」特設ページをご覧ください。

クラシック音楽の殿堂で蘇る 世にも美しき義経・弁慶物語古典芸能で辿る 義経・弁慶旅の追憶開催延期

2020年7月5日(日)13:00開演 アンサンブルホールムラタ
2021年11月23日(火・祝)へ延期

開館25周年を記念して、日本の古典芸能における不朽の名作「義経・弁慶物語」を新たな演出で企画しました。
当館初の本格的な伝統芸能公演となる本企画では、一般的に歌舞伎の付随音楽として考えられている「長唄」にスポットライトを当て、物語をつなぐ中心的役割を与えています。一つの物語を「長唄」と「能」で構成する公演は珍しく、それぞれの良さを活かしつつ2つの伝統芸能を融合させています。演出を手がけるのは長唄の三味線奏者の杵屋勝七郎。また三味線や囃子のほか、観世流能楽師の林宗一郎や狂言師の茂山逸平など超豪華キャストで、これまで幾度となく上演されてきた「義経・弁慶物語」の新たな側面をお楽しみいただく予定でした。

新型コロナウイルス感染症を巡る状況に鑑み、出演者と協議を重ねた結果、やむなく来年2021年11月23日(火・祝)に開催延期となりました。延期された公演にどうぞご期待ください。

詳細は公演ページをご覧ください。

「復活と救済」——マーラー《交響曲第2番「復活」》 ロンドン交響楽団 京都公演開催中止

2020年10月4日(日)16:00開演 大ホール

世界屈指のオーケストラ、ロンドン交響楽団(LSO)。2017年9月からは、実力・人気共に世界トップ・クラスのサイモン・ラトルが音楽監督として就任しました。
マエストロが今回の京都公演のために選んだのは、国立パリ管弦楽団が1995年10月15日の京都コンサートホールの杮落し公演で演奏した、マーラーの交響曲第2番「復活」。
当日は、関西二期会や神戸市混声合唱団、びわ湖ホール声楽アンサンブル、京都市立芸術大学など、関西の声楽家たちが集結し、京都公演だけの特別な合唱団を結成してお届けする予定でした。

公演の実現に向けて関係者と慎重な協議を重ねて参りましたが、新型コロナウイルス感染症の世界的蔓延により出演者の来日が難しくなったため、やむなく公演は中止となりました。

詳細は公演ページをご覧ください。

京都コンサートホール開館25周年×ベートーヴェン生誕250周年ベートーヴェンの知られざる世界公演開催

2020年10月10日(土)、11月7日(土)14:00開演 アンサンブルホールムラタ

京都コンサートホールが開館25周年を迎える2020年、ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンは生誕250年を迎えます。
皆から愛され尊敬されるこの作曲家のメモリアルイヤーを記念して、京都コンサートホールでは、これまでに出会ったことのない「ベートーヴェン」の知られざる世界を描き出す、特別なコンサート・シリーズを企画しました。
Vol.1「楽聖の愛した歌曲・室内楽」では、歌曲と室内楽をこよなく愛したベートーヴェンに焦点を当て、ほかでは聴くことのできない、知られざる傑作の数々を厳選しました。そしてVol.2「ピアニスト・ベートーヴェン」では、ピアノの名手・ベートーヴェンを感じていただけるプログラムとして、ピアノ・ソナタ2曲と、ベートーヴェン自身が作曲・編曲を行った、華やかなピアノ・トリオ版《交響曲第2番》をプログラミングしました。

感染拡大防止のため、様々な対策を行うとともに、座席数を制限して開催。また、出演予定の外国人アーティストについては、政府による入国制限や隔離期間の確保などの理由により、日本人アーティストにキャスト変更を行いました。

詳細は、「ベートーヴェンの知られざる世界」特設ページをご覧ください。

Vol.1「楽聖の愛した歌曲・室内楽」
(10月10日)

大西宇宙(バリトン)村上明美(ピアノ)

吉井瑞穂(オーボエ)小谷口直子(クラリネット)水無瀬一成(ホルン)村中宏(ファゴット)

上敷領藍子(ヴァイオリン)朴梨恵(ヴィオラ)加藤文枝(チェロ)

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Vol.2「ピアニスト・ベートーヴェン」
(11月7日)

髙木竜馬(ピアノ)

石上真由子(ヴァイオリン)上森祥平(チェロ)

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「平和への祈り」——バーンスタイン《交響曲第3番「カディッシュ」》 京都コンサートホール×京都市交響楽団プロジェクト
Vol.1「佐渡裕指揮バーンスタイン《交響曲第3番「カディッシュ」》」開催中止

2020年11月22日(日)14:00開演 大ホール

京都コンサートホールと京都市交響楽団による新たなコンサート・プロジェクトの第一弾して企画したのは、京都が誇るマエストロ佐渡裕の指揮による、オール・バーンスタイン・プログラム。中でも《交響曲第3番「カディッシュ」》はコンサートの要となる超大作です。
この作品は1963年、当時のアメリカ大統領ジョン・F・ケネディが暗殺された際、バーンスタインが楽譜の1ページ目に「ジョン・F・ケネディの愛する思い出のために」と書いたことで知られているものです。バーンスタインがその一言をしたためた日付は1963年11月22日でした。奇しくもその日と同じ日に佐渡裕が師バーンスタインの作品を振るという、奇跡のような巡り合わせに恵まれたコンサートになるはずでした。

公演実現に向けてアーティスト側と慎重な協議を重ねて参りましたが、新型コロナウイルス感染症の国内外の状況を考慮した結果、大変残念ながら開催中止といたしました。いつかまた、ふたたびこのプログラムを同じメンバーでコンサート開催を目指したい…スタッフ一同そう願っています。

詳細は公演ページをご覧ください。