京都コンサートホール×ニュイ・ブランシュKYOTO 2018 「瞑想のガムラン――光と闇に踊る影絵、覚醒の舞」

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京都コンサートホール

みなさん、「ニュイ・ブランシュ(白夜祭)」というイベントはご存知でしょうか?
「ニュイ・ブランシュ」とは、パリ市が毎秋行う一夜限りの現代アートの祭典のこと。京都・パリ友情盟約締結60周年にあたる今年、日仏の現代アートを楽しめる「ニュイ・ブランシュKYOTO」が市内各所で盛大に開催されます。

今年のテーマは「五感」!視覚、聴覚はもちろんのこと、触覚、味覚、そして嗅覚を刺激するアートが、街のいたるところで繰り広げられます。
そこで京都コンサートホールでは、2018年に没後100年を迎えるフランス人作曲家クロード・ドビュッシーが大きな影響を受けた、インドネシアの伝統楽器「ガムラン」演奏と影絵「ワヤン」を皆さまにお届けします!

ガムラン
ワヤン(影絵)

ドビュッシーとガムランとの出会いは1889年にまでさかのぼります。その年、フランス革命100周年を記念して4回目のパリ万国博覧会が開催されました。エッフェル塔が建設されるなど、これまでにない盛り上がりを見せたこの記念すべきイベントで、作曲家クロード・ドビュッシーは「ガムラン」を初めて見聞きしたのです。その出会いは彼にとって衝撃的なものだったようで、友人のピエール・ルイスに宛てて次のように書き残しています。

ジャワの音楽を思い出してくれ。あらゆるニュアンスを、もうなんとも形容しがたいニュアンスまでも含んでいたではないか」。

とてもユニークで神秘的な響きを持つガムラン音楽。その秘密は、「スレンドロ」や「ペロッグ」と呼ばれるガムラン特有の音階にあります。「スレンドロ」とは一オクターブをほぼ均等に分ける五音音階、「ペロッグ」とは一オクターブを不均等に分けた七音音階のことです。先のパリ万博でドビュッシーが聴いたとされるガムラン音楽には、スレンドロ音階が使われていたと言われています。それを聴いたドビュッシーは、さっそく自らも5音音階を用いて作曲を試みましたが、あのガムラン独特の響きは再現出来ませんでした。それはなぜでしょうか?

その答えは「音律」です。スレンドロ音階では、五音の音程関係は固定されません。ところが、クラシック音楽で用いられる音律は「平均律(1オクターブを12音で均等に分ける方法)」。平均律では音程幅が固定されるので、スレンドロ風に5音を選んでも、均一な響きになります。つまりドビュッシーがガムラン風に作曲したとしても、基本の音律が異なるために、あの独特な響きを生み出すことは不可能なのです。ところが、このガムランとの出会いはドビュッシーの作曲家人生におけるターニングポイントとなり、「ドビュッシーらしい」響きを生み出すきっかけとなったのでした。

さて、今回のニュイ・ブランシュはそんなガムラン音楽を京都コンサートホールで聴くことが出来る、滅多とないチャンスです!
場所はホールではなく、京都コンサートホール1階のエントランスホール。演奏はインドネシア伝統芸能団「ハナジョス」の2人が担当します。

ハナジョス

身体に響きわたるガムラン音楽に酔いしれながら、幻想的なインドネシアの影絵「ワヤン」やバリ料理(特別出店・京都北山ダイニングカフェ バリガシ)も同時にお楽しみいただける、特別な一夜を演出します。入場は無料、21時30分スタート予定です。ぜひ、秋の夜長を京都コンサートホールでお過ごしくださいね。

 


出演:インドネシア伝統芸能団ハナジョス(ローフィット・イブラヒム&佐々木宏実)
入場無料(定員100名)
日時:2018年10月5日(金)21時30分開始予定(21時開場/22時30分終了予定)
場所:京都コンサートホール1階 エントランスホール
主催:京都コンサートホール(公益財団法人 京都市音楽芸術文化振興財団)、京都市
協力:北山街協同組合
特別出店:ダイニングカフェ・バリガシ https://baligasi.com/
お問い合わせ:京都コンサートホール ☎075-711-2980 ※第1第3月曜休館(休日の場合は翌平日)

181005Nuit Blanche KYOTO 2018 English Flyer