【光と色彩の作曲家 クロード・ドビュッシー特別連載①】ドビュッシーとパン(牧神)

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京都コンサートホール

2018年に没後100年を迎えるフランスの作曲家ドビュッシーを讃えて、全3回のスペシャル・シリーズ『光と色彩の作曲家 クロード・ドビュッシー』(10/13、11/10、11/23)を開催いたします。

よりドビュッシーを知っていただくため、そしてこのシリーズをより楽しんでいただくため、本ブログで特別連載を行います。

連載の第1回目は、本シリーズの第2回『ベル・エポック~サロン文化とドビュッシー~』で演奏される《ビリティスの3つの歌》をはじめとする3作品から、ドビュッシーとパン(牧神)の関係に迫ります。

* * *

牧神の午後への前奏曲、シリンクス、ビリティスの3つの歌。
ドビュッシーが残したこの3つの作品に共通するもの――それは「パン(牧神)」です。

ルーベンス:パンとシュリンクス

「パン(牧神)」とはギリシャ神話に登場する牧人と家畜の神。顎髭を生やし、山羊の角と脚を持ち、半人半獣の姿をしています。そしていつもトレードマークとも言われる「パンの笛」と呼ばれる笛を手にしているのですが・・・。この「パンの笛」とはいったい何でしょう?

パンは大の女好きでした。毎日、森や川の女神(ニンフ)を見つけては追いかけまわし、見つけては追いかけまわし・・・の繰り返し。そんなある日、パンは「シュリンクス(フランス語読みではシランクス)」というニンフに出会いました。女好きのパンはもちろんシュリンクスに声を掛けますが、パンのその醜い容姿に恐れおののいたシュリンクスは逃げ回ります。でも、パンの恋心は高まるばかり。あきらめきれないパンはしつこくシュリンクスを追いかけまわし、とうとう川辺まで追い詰めました。そしてパンがシュリンクスを抱きしめようとした瞬間・・・!シュリンクスは神に助けを求め、その姿を葦(あし)に変えてしまいました。
シュリンクスを失い悲しみに暮れるパン。するとヒューっと風が吹き、その風にそよいで葦が音を鳴らしました。その音色はまるでシュリンクスの声のよう。葦に彼女の姿を重ねたパンは「少なくとも、あなたの声と共にいることができた」と喜び、その葦を束ねて笛を作りました。そしてその笛に「シュリンクス」と名前をつけて、肌身離さずいつも身につけていたといいます。この「シュリンクス」と名づけられた笛が「パンの笛」です。

 

ドビュッシーはなぜこの「パン(牧神)」をテーマに3つの作品を書いたのでしょうか?

そのひとつのきっかけとなったのが、19世紀を代表するドイツの大作曲家、リヒャルト・ワーグナー(1813-1883)の存在です。

リヒャルト・ワーグナー

ドビュッシーが生まれる1年前の1861年、ワーグナーの楽劇「タンホイザー」のパリ初演がオペラ座で行われました。結果的には大失敗となったこの初演ですが、パリの文化人には多大な影響を与えることとなったのです。中でも、ボードレール(ドビュッシーが最も好きな詩人として名を挙げた人物)は『リヒャルト・ワーグナーと《タンホイザー》のパリ公演』を執筆しワーグナーを称え、マラルメ(「牧神の午後への前奏曲」の作者で、19世紀フランス印象派最大の詩人)は『ワーグナー論評』に論文を寄稿したというように、とりわけ文学者から絶大な支持を得ました。しかし音楽家にとって、このワーグナーの影響は少し違うものでした。ワーグナーが独自の手法で己の音楽様式を確立していく中で、フランスの音楽家たちはワーグナーの音楽に対してフランス独自の音楽を生み出すことの必要性を感じたのです。さらに、その思いに拍車をかけたのが1871年普仏戦争の敗戦。これまで音楽をはじめとする文化の中心地であったフランスですが、この敗戦を機にドイツの存在を意識せざるを得なくなります。そしてそれはドビュッシーが活躍する19世紀末まで続いたのです。サン=サーンス(1835-1921)は1871年に国民音楽協会を設立、フォーレ(1845-1924)らとともにフランス音楽の再興に尽力、近代フランス音楽の基礎を築きました。続くラヴェル(1875-1937)は古典的な形式や表現に回帰し、若くして独自の様式を確立。ドビュッシーはというと、全音音階や半音階、五音音階やギリシャ旋法を用い、これまでの調性・機能和声からの逸脱を図り独自の手法を見出したのですが、それらを音楽の中で実現する格好の題材のひとつがギリシャ神話、とりわけ「パン(牧神)」、そしてパンの笛から奏でられる音楽だったのです。

《牧神の午後への前奏曲》はマラルメの詩『牧神の午後』の官能的で夢幻的な世界を描写した作品ですが、この作品によりドビュッシーは独自のスタイルを確立するとともに、20世紀音楽の扉を開いたとも言われています。《シリンクス》(作曲当初は《パンの笛》と名付けられていました)では、音階や旋法を駆使してパンが奏でるその笛の音を、そしてギリシャ神話の世界を、たった1本のフルートで見事なまでに表現。《ビリティスの3つの歌》でもその東方的な旋律で、瞬く間に人々をドビュッシーの世界に惹きこみます。

ドビュッシーは「パン(牧神)」を通じて自らの音楽を創出していったのです。

* * *

さて、ここまで書いてきたことはドビュッシーのほんの一面に過ぎません。ドビュッシーにはまだまだ我々が知らないたくさんの魅力が隠れています。

そんなドビュッシーを、そして彼の音楽をより深く知っていただくため、京都コンサートホールではスペシャルシリーズ『光と色彩の作曲家クロード・ドビュッシー』を開催いたします。計3回にわたるコンサートでは、ドビュッシーに精通した専門家によるナビゲーションとともに、ドビュッシーにまつわる様々な作品をお届けいたします。

ドビュッシーを知りたくなった方、ますますドビュッシーに興味を持った方。この機会にドビュッシーの世界に浸ってみませんか?

スペシャル・シリーズ《光と色彩の作曲家 クロード・ドビュッシー》の特設ぺージはこちら。

(京都コンサートホール 事業企画課)


【参考文献】
広瀬大輔 2018 「パリでわき起こったワーグナーへの熱狂」産経新聞社『モーストリー・クラシッック』254: 56
大嶋義実 2014 「無伴奏フルートアナリーゼ」アルソ出版『ザ・フルート』139: 56-57
松本 學 2012 「連載 Wagneriana ワグネリアーナ~ワーグナーにまつわるあれこれ 2」(『東京・春・音楽祭』ウェブサイト内) http://www.tokyo-harusai.com/news/news_1047.html (2018年8月2日閲覧)

特別連載②「進々堂 続木社長インタビュー(前編)」はこちら。

オルガニスト大木麻理 特別インタビュー(9/8オムロン パイプオルガン コンサートシリーズ Vol.62「オルガニスト・エトワール」)

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インタビュー

人気シリーズ「オムロン パイプオルガン コンサートシリーズ」の62回目、“オルガニスト・エトワール”にご出演いただく大木麻理さん。

大木さんは、第3回ブクステフーデ国際オルガン・コンクール優勝など輝かしい受賞歴を持つ、今注目のオルガニストです。その活躍は飛ぶ鳥を落とす勢いで、今年4月からミューザ川崎シンフォニーホールのオルガニストに就任されました。

今回、京都コンサートホール初登場を記念して、国内オルガニストの期待の星“エトワール”である大木さんに、オルガンの魅力や珍しい和太鼓との共演についてなど色々とお話を伺いました。

――こんにちは!この度はお忙しい中ありがとうございます。
まず大木さんのオルガンとの出会いをお聞かせいただけますでしょうか?

大木さん:小学校4年生の時に、地元静岡に新しいコンサートホールが完成し、そこにパイプオルガンが入りました。市民を対象に新しいオルガンの見学会が開催され、そこに参加したのがオルガンとの出会いです。
その豪華な見た目と、音色に一瞬で心をつかまれ・・・今に至ります!

――パイプオルガンは他の楽器にはない圧倒的な存在感がありますよね。大木さんにとって、パイプオルガンの魅力とは何でしょうか?

大木さん:心の琴線に触れるような繊細な音色から、天地がひっくり返りそうなダイナミックな音まで、一人で奏でることができることです。
また手だけではなく足を使って演奏したり、ストップ操作など、大きなおもちゃを操っている様な感覚になります。

――オルガニストの方々が両手両足を駆使して、大きなオルガンから様々な音色を引き出されている様子にはいつも感銘を受けます。この4月から務めていらっしゃる「ミューザ川崎シンフォニーホール・オルガニスト」について、具体的にどのようなお仕事をなさっているのか教えていただけますでしょうか。

大木さん:ソロやオーケストラとの共演など演奏のお仕事はもちろんのこと、「弾き込み」と称して、ホールが空いている時間は出来るだけ多くの時間楽器を鳴らすようにします。その中で楽器に不調がないか、チェックをしてオルガンが常に良い状態に保たれるように努めています。また外部からオルガニストをお招きする際には、その公演が円滑に進み、気持ちよく演奏をしていただくために“黒子”のような存在になることもあります。
そしてオルガンの魅力を一人でも多くの方に知っていただくため、オルガンの見学会やレッスンなども行っています。

(C)Mari Kusakari

――演奏だけでなく、様々な形でオルガンと関わっていらっしゃるのですね。大木さんは大学で教鞭も取られていますが、「教える」ことはお好きですか?また、「教える」ことによってオルガン演奏にどのようなプラス面がありますか?

大木さん:教えることは好きです。大きなやりがいを感じています。自分が教わってきたことを多くの人に伝えたいと思いますし、そのことがオルガンを習う人にとって何か助けになると嬉しいと考えています。レッスンをすることで音楽や演奏法などを客観的にそして冷静に見ることができ、自分が弾いている時には気付かない悪い癖などを知ることができます。
逆に生徒さんのオルガンと向き合う姿勢から学ぶことも沢山あり、レッスン後にはいつもオルガンが弾きたくなるんです!

――レッスン後でも弾きたくなるほど、オルガン愛に満ち溢れた大木さんから教えてもらえる生徒さんは幸せですね!
今回の演奏会では和太鼓との珍しいデュオを聞かせてくださいますが、なぜ今回和太鼓を選ばれたのでしょうか?

大木さん:いつかオルガンとコラボレーションしたい楽器の筆頭に「和太鼓」がありました。私の長年の夢だったのです!躍動感溢れる音、リズム、そして奏者の肉体と(誤解しないで下さい 笑)魅力的な要素が沢山詰まった楽器だと思います。

そしてもう一つの理由にオルガンと打楽器の相性の良さがあります。オルガンは繊細な音から地を揺らすような音まで、非常に大きなダイナミックレンジを持つ楽器ですが、アンサンブルをする時にお互いに音量の遠慮し合うことなく、つまりオルガンと対等のダイナミックレンジを持つ唯一の楽器が打楽器だと思います。

昨今ではオルガンとクラシック楽器としての打楽器との演奏機会は増えてきましたが、和太鼓はとても珍しいですよね・・・。日本人として日本の楽器を大切にしたい気持ちもあり、今回は同じ打楽器でも「和」なものを選んでみました。

大多和正樹(和太鼓)

――夢の共演を京都コンサートホールで聴けるのはとても楽しみです!
今回のプログラムの冒頭に演奏される、大木さんお得意の作曲家ブクステフーデについて、彼の作品の特徴や魅力などを教えていただけますでしょうか。

大木さん:得意なのかは正直わかりません・・・笑。でも大好きな作曲家の一人です。ブクステフーデの存在なしには、恐らくJ.S.バッハは誕生しなかったでしょう!
(青年バッハが約400kmの道のりを歩いて彼の演奏を聴きに行き、その虜になったという逸話が残っているくらいですから。)
ブクステフーデの音楽は、私にとって非常に「魅惑的」です。一筋縄ではいかない音楽の進行、そしてドラマチックなお芝居を見ているかのような劇的な音楽の展開に心を摑まれています。

――ブクステフーデはオルガン界にとって大切な存在で、時代や国を越えて多くの人を惹きつけた作曲家なのですね。
ところで、今回のプログラムについて、テーマや聴きどころをお教えいただけますでしょうか?

大木さん:私の中でのテーマは「未知への挑戦」です!オルガンと和太鼓によってどんな音楽が誕生するのか、私自身もわからないのです。でも面白いものになるという確信は持っています。
本音を言うと、私も一聴衆としてこの演奏会を聴きたいくらいです!
そして聴きどころは・・・「全部」!!

――プログラムを最初に拝見した時からずっとワクワクしております!
それでは最後に、演奏会を楽しみにしている皆さまへ、メッセージをお願いいたします。

大木さん:オルガンと和太鼓が一緒に演奏するなんて、どんな演奏会になるのだろう・・・と思われているお客様もいるのではないかと想像していますが、安心してください!きっとオルガンの新たな魅力を感じて頂ける機会になると思います。

個人的に最近気に入っている言葉に「オルガン浴」というものがあります。オルガンを聴くのではなく、リラックスしてオルガンの音を浴びて頂きたい、と思いついた言葉です。日光浴、森林浴などと並んで、この言葉がスタンダードになったら嬉しいな・・・なんて思っています。

初めての京都コンサートホールですが、新しいオルガンとの出会い、そしてお客様との出会いを今から心待ちにしております。オルガンの音を思う存分浴びにいらして下さい!

――色々なお話を聞かせてくださいまして、誠にありがとうございました。9月の公演がとても楽しみです!

(7月31日 京都コンサートホール事業企画課 メールインタビュー)

♪♪ 公演情報 ♪♪

オムロン パイプオルガン コンサートシリーズVol.62「オルガニスト・エトワール」

2018年9月8日(土)14:00開演(13:00開場)大ホール
[オルガン]大木 麻理(ミューザ川崎シンフォニーホール・オルガニスト)
[ゲスト]大多和 正樹(和太鼓)

[曲目]
ブクステフーデ:前奏曲 ト短調 BuxWV149
J.S.バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
J.S.バッハ(A.ラントマン編曲):シャコンヌ(無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番より)
ボヴェ:「東京音頭」による幻想曲
ラヴェル(K.U.ルードヴィッヒ編曲):ボレロ
ほか

[チケット料金]
全席自由 一般 1,000円 高校生以下 500
〈京都コンサートホール・ロームシアター京都Club、京響友の会の会員〉 900円

※障がいのある方:900円(同伴者1名まで)
京都コンサートホール・ロームシアター京都のみで取扱。
窓口でご本人様が証明書等をご提示ください。

詳しくはこちら♪

和太鼓奏者・大多和正樹 特別インタビュー(9/8 オムロン パイプオルガン コンサートシリーズVol.62「オルガニスト・エトワール」共演者)

投稿日:
京都コンサートホール

9月8日(土)午後2時から開催される「オムロン パイプオルガンコンサートシリーズ vol.62 “オルガニスト・エトワール”」。今回の“エトワール”は、ミューザ川崎シンフォニーホールのオルガニストを務める大木麻理さんです。

オルガニスト 大木麻理

彼女が今回のプログラミングを考える際、一番最初に見せたこだわりが「和太鼓奏者の大多和正樹さんと共演したい」ということでした。
わたしたち京都コンサートホールもパイプオルガンと和太鼓の共演は初めてということで、どのようなコラボレーションになるか、わくわくしています。
そこで、和太鼓奏者の大多和正樹さんに、共演される際の聞きどころなどについてお話を伺うことにしました。

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――はじめまして、今回のパイプオルガンと和太鼓のコラボレーション、とても楽しみにしています。大多和さんは普段、どのような活動をなさっているのか教えていただけますか。

大多和さん:最も大事なのはその場に合った音量、音色と考えています。
故に呼吸を伴った演奏ができることを心がけています。
様々なアンサンブルやソロにて多様な音量幅で活動しております。
尺八、津軽三味線、箏、篠笛などの和楽器はもちろん、ジャズ、ラテン、アフリカン、クラシックなどあらゆる音楽、ダンサー、書家、役者など様々な創作者の方々と共演しております。

和太鼓奏者 大多和正樹

――従来の和太鼓のイメージにとらわれずに、様々な楽器と一緒に演奏されていらっしゃるのですね!その中で和楽器である和太鼓と、洋楽器(今回で言えばパイプオルガン)とのコラボレーションにどのような可能性を見出されていますか?

大多和さん:どんな楽器も先人のお陰で今日まで受け継がれてきていることの素晴らしさ、また歴史ある楽器が今回共に奏でられることに大変感謝しております。
互いに音量幅の広い楽器であること、このダイナミクスレンジの幅が似ていると思われる両者の音から生まれる新たなスタンダードアンサンブルに期待しています。

――なるほど、一緒に演奏することで魅力も2倍になるということですね。
ところで、大多和さんと大木さんが今回共演されるきっかけを教えてくださいますか。

大多和さん:昨年11月の東京オペラシティで、あるオーケストラと共演した際、楽屋前で大木さんから今回のお声掛けをいただいたのがきっかけです。
そのときは二人の共演はなかったのですが、和太鼓とのアンサンブルにとても興味を持っていらっしゃいました。
同時に私も「どんな繊細かつ壮大なアンサンブルになるのだろう!」とワクワクしたことを覚えています。

――ということは、今回が記念すべき「初共演」でいらっしゃるのですね!余計に楽しみになってきました。
さて、今回のコンサートで大木さんと共演なさる曲について、聞きどころをそれぞれ教えてくださいますか。

大多和さん:《トッカータとフーガ ニ短調》については、いくつかのビートが出ているなかで各シーンが演奏されることになるかと思います。少しロック寄り?かもしれません。いずれにしても珍しいかたちで演奏されることになると思います。
《ボレロ》は当然の音量の変化と共に、両手で同時に鳴らされる太鼓の移り変わりにご注目ください。
《東京音頭》に関してはオルガンバージョンをまだ聴いたことがなく、今のところ全く見当もつきません。後日大木さんの演奏音源を頂いたらイメージが浮かぶと思います。

――バッハでロック寄りですか!?《トッカータとフーガ ニ短調》はもう何回も聴いている作品ですが、まったく新しい《トッカータとフーガ》に出会えるような気がします。バッハ=ロックは想像つかないのですが、絶対カッコイイですよね。
それでは最後に、当日お越しくださるお客様に大多和さんから一言お願いできますでしょうか。

大多和さん:演奏とは、イメージを擦り合わせるために会話をしていくことと似ている気がします。言語を使って人と意思を伝え合うように、その楽器を操る人、お客様と共感できることは大変大きな喜びです。
パイプオルガンと和太鼓の「繊細かつ壮大な音世界」、大木さんと私の「音の会話」から皆さんと共感できる瞬間が生まれることに期待しながら、とても楽しみです!是非体感しにいらしてください!

――ありがとうございました!新しいパイプオルガンの世界を創ってくださること、いまから楽しみにしております。どうぞ宜しくお願い致します。

(7月23日 京都コンサートホール事業企画課メールインタビュー)

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【公演情報】

2018年9月8日(土)14:00開演(13:00開場)
大ホール
Saturday 8, September 2018 2:00 p.m. at Main Hall

いま注目の若手女流オルガニスト
待望の京都コンサートホール初登場!

輝かしい国際コンクール受賞歴を誇る、若き女流オルガニストの大木麻理。十八番のドイツ・バロック音楽はもちろん、和太鼓奏者の大多和正樹氏をゲストに迎えて、オルガンと和太鼓のコラボレーションまで披露します。
この魅力的なプログラムは、京都コンサートホールのためだけに組まれたものです!どうぞお見逃しなく!

[オルガン]
大木 麻理
(ミューザ川崎シンフォニーホール・オルガニスト)
Mari Ohki, Organ (Organist of MUZA Kawasaki Symphony Hall from1st April 2018)

[ゲスト]
大多和 正樹(和太鼓)
Masaki Otawa, Taiko (Japanese Drum)

[曲目]
ブクステフーデ:前奏曲 ト短調 BuxWV149
J.S.バッハ:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
J.S.バッハ(A.ラントマン編曲):シャコンヌ
(無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番より)
ボヴェ:「東京音頭」による幻想曲
ラヴェル(K.U.ルードヴィッヒ編曲):ボレロ
ほか

【光と色彩の作曲家 クロード・ドビュッシー】進々堂様ご提供の特別パティスリー、詳細決定!

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お知らせ

今年10月13日、11月10日、11月23日と3回にわたって開催されるスペシャル・シリーズ『光と色彩の作曲家 クロード・ドビュッシー』。
そのチラシ裏面で予告させていただいていた「京都コンサートホール×進々堂 特別コラボレーション」について、このたびその内容が決定いたしました!
フランスにちなんだパティスリーをご来場いただいた皆さまにプレゼントさせていただくとアナウンスしておりましたが、進々堂様の粋なお取り計らいもあり、各公演をイメージしたとても可愛らしい&美味しいパティスリー3種が出来上がりました。

ほら、とっても美味しそうで可愛らしいでしょう?!

それでは、それぞれのパティスリーをご紹介させていただきます。

◆ブリオッシュ・ダマンド Brioche d’amandes (第1回(10月13日)配布予定)
新鮮なバターたっぷり、ほんのり甘くふわふわ食感のブリオッシュ。
中には、ブリオッシュと相性抜群のアーモンドクリームが包み込まれています。でも実はこのおいしい組み合わせ、何故かフランスのブーランジュリーでは見かけません。このブリオッシュ・ダマンドは進々堂様の職人技が可能にした、日本にしかないフランスの菓子パン(?)なのです!是非その新しいおいしさをお楽しみください。
ところで表面に プリントされたワンフレーズ、何の旋律かお分かりでしょうか?
そう、第1回にプログラミングされている《前奏曲集》第1巻より〈亜麻色の髪の乙女〉の冒頭部分です。コンサートと一緒に、ぜひこのブリオッシュを味わっていただきたいなぁと思って選曲してみました♪

◆フィナンシェ・ヴァリエ Financiers variés (第2回(11月10日)配布予定)
様々な楽器や作品が寄せ集められた第2回にふさわしい、色んな味が楽しめるフィナンシェです。進々堂様ではドビュッシーのピアノ曲「子供の領分」をイメージしながら開発したのだとか。
金融という意味の“financier”から、金塊型のフィナンシェが一般的ですが、今回はフランスから取り寄せた、ジンジャーマン型とハート型に可愛く作っていただきました。フレッシュなバターがふんだんに使われています。味はランダムで2種類入っており、抹茶やチョコチップ、フランボワーズなどを予定しています。

◆カヌレ・ア・ロランジュ Canelé à l’orange (第3回(11月23日)配布予定)
カヌレとはフランス南西部のボルドー地方の伝統的なお菓子ですが、このカヌレは普通のカヌレとはちょっとひと味違うんです!
フランスのオレンジ・リキュール一流ブランド「グランマルニエ」のリキュールが隠し味として入っています。
ふわりとフランスの薫り漂う《前奏曲集》のように、オレンジの香りが口いっぱいに広がります。

いずれもフランスの伝統的な作り方でありながら、ドビュッシーや彼の作風をイメージしながら新しく生み出された、こだわりたっぷりのオリジナル・パティスリーです。今回それぞれ各公演にお越しの方にもれなくプレゼントしますので、チケットをご購入くださったお客様はどうぞお楽しみに!

またこれら3点に加え、ドビュッシー没後100年を記念した特別マカロンを1個300円にて進々堂様で販売予定です。

表面には、「クロード・ドビュッシーを偲んで」とプリントされています。
味は爽快でほんのり甘いミント味(フレッシュミントをクリームに漬け込んで香りを抽出してあります)。マカロン部分のブルー&ピンク、クリーム部分の白色はもちろん、フランスの国旗トリコロール・カラーを意識したものです。
こちらのマカロンは、ドビュッシー・シリーズの各公演日に京都コンサートホール1階のカフェ・コンチェルトやアンサンブルホールムラタのドリンクコーナーでも販売予定です。ぜひお買い物求めくださいね。

さて、これらのパティスリーは、進々堂様と京都コンサートホールとの間でこれまで何度も話し合いをし、試作・試食を重ねてきました。
今日はその過程もほんの少し、ご紹介させていただきます。

第1回の試食会は京都コンサートホールにて。進々堂社長の続木創様と製造部の須藤様が試作品をご持参くださり、京都コンサートホールの職員で試食させていただきました。

この時点でパティスリーはすでに美味しかったのですが、第2回の試食会に向けて、意見交換を行いました。お菓子と音楽をリンクさせてお話させていただき、充実した楽しい時間を過ごすことが出来ました。

第2回の試食会は進々堂様で開催させていただきました。
当日実際に配布するものと同じパティスリーをご用意いただき、貼付するシールの大きさやデザインなどについて話し合いをさせていただきました。
京都コンサートホールの希望を精一杯受け止めてくださる進々堂様に感謝の気持ちでいっぱいです!本当にありがとうございます!

この試食会の後、今回の企画に快く応じてくださった続木社長様に取材をさせていただくことが出来ました。
パンや音楽など(続木社長は大のクラシック音楽ファンでもあります)、多岐にわたってとても楽しいお話を聞かせてくださった続木社長。インタビューの模様は近日中に公開予定ですので、こちらもどうぞお楽しみに!

 

★《クロード・ドビュッシー 光と色彩の作曲家》特設ページはこちら